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2017-06-12 00:00:00.0

所有者不明土地の活用へ、新法策定目指す

 9日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2017」(骨太方針)で、ストックの有効活用や所有者を特定することが困難な土地や十分に活用されていない土地・空き家等の有効活用などが示された。
 消費の活性化に向けてストックの有効活用を打ち出し、空き家等の流通・利活用を図るとともに、住宅ストックの良質化・省エネ化、既存住宅の適正な評価、安心できる取引環境整備等により既存住宅流通・リフォーム市場を活性化するとした。若者・子育て世帯等の円滑な入居の確保を図るため、空き家や民間賃貸住宅、UR賃貸住宅を活用した取り組みの支援を進める。 また、長期的かつ効率的な資産形成のため、積立NISA(少額からの積立・分散投資を通じた家計の安定的な資産形成を支援するため、口座内で生じた配当および譲渡益を非課税とする制度)を含むNISA制度や個人型確定拠出年金(iDeCo)等の活用を促進する。
 所有者を特定することが困難な土地や十分に活用されていない土地・空き家等の有効活用では、共有地の管理に係る同意要件の明確化や公的機関の関与により地域ニーズに対応した幅広い公共的目的のための利用を可能とする新たな仕組みの構築、長期間相続登記が未了の土地の解消を図るための方策等について、必要となる法案の次期通常国会への提出を目指す。 さらに、今後、人口減少に伴い所有者を特定することが困難な土地が増大することも見据えて、登記制度や土地所有権のあり方等の中長期的課題については、関連する審議会等において速やかに検討に着手し、経済財政諮問会議に状況を報告するものとする。
 あわせて、官民連携による空き家・空き地の流通・利活用等を促進するため、地方公共団体や不動産関連団体等の取り組みを後押しするとともに、空き家等の活用・管理・除却への支援や全国版空き家・空き地バンクの構築を行なう。また、インデックス等の充実、地籍整備や登記所備付地図の整備等により不動産情報基盤の充実も図るほか、法定相続情報証明制度の利用範囲を拡大するとともに、所有者情報の収集・整備・利活用を推進するため、制度・体制の両面からさらなる取り組みを進める。
 PPP/PFIの推進においても、17年に改定した「アクションプラン」に基づき、「公的不動産」を重点的に進める分野と位置付け、複数施設の整備・運営等を一括して事業化する「バンドリング・広域化」の案件形成、民間資金等活用事業推進機構の積極的な活用等を推進するとした。