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2017-08-01 00:00:00.0

団地再生検討委、「戸建て」も盛り込み再始動

 国土交通省は1日、「住宅団地の再生のあり方に関する検討会(第2期)」(座長:東京大学大学院工学系研究科教授・浅見泰司氏)の初会合を開いた。
 同検討会(第1期)は、高度経済成長期以降全国で建設された大規模住宅団地が、今後一斉に老朽化し、地域活力の低下などさまざまな問題を引き起こしつつあることから、居住者の多様なニーズに合わせた柔軟な再生手法の検討などを目的に2014年7月発足。16年1月に、都市再開発の枠組みを活用した団地再生手法、柔軟な団地建て替えに向けた「一団地認定の職権的取り消し手続き」の明確化などを盛り込んだとりまとめを発表。これをもとに同省は、土地共有者の組合員算定方法の合理化等の都市再開発法の改正と、一団地認定の職権取り消し手続き規定追加に係る建築基準法施行規則改正を行なっていた。
 第2期では、第1期とりまとめで盛り込んだ各種の制度見直し内容を具体的に活用するためのガイドライン策定などの方策検討、敷地売却の仕組みを活用した団地型マンションの再生に向けた検討、さらに第1期では対象としなかった郊外の戸建団地ストックの活用や土地利用転換などの再生手法の検討、老朽マンションの再生に向けた合意形成の円滑化に向けた検討などを行なっていく。
 初会合では、第1期とりまとめ以降の住宅団地再生に向けた法制度の中身や、第2期の検討課題の議論に向けた考え方などについて、情報を共有した。委員からは、新たな検討課題となった「敷地売却制度を活用した団地型マンションの再生」が耐震性の強化に主眼が置かれ、都市再開発手法のようなまちづくりの視点が欠けている点や、「戸建団地」の規模や定義などについて指摘がなされた。
 検討会開催にあたり挨拶した同省住宅局長の伊藤明子氏は「住宅団地の再生は、非常に関心が高いテーマ。当省でもさまざまな取り組みを行なってきたが、マンションストック600万戸のうち建て替えられたのはわずか1万8,000戸とまったく動いていない。合意形成に時間がかかるなどの問題を抱えており、いまきちんと整理しておかないと、団地の老朽化が加速してからでは大変なことになる。委員の皆さまには、戸建団地も含め、より幅広くより深い議論をしていただきたく、精力的に取り組んでいただきたい」と抱負を述べた。
 次回会合は、10月下旬に開催予定。議論した内容をもとに、18年3月までにとりまとめを行なう。