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若者の間で広がる「マンションを買うなら中古+リフォーム」

目次

「マンションを買うなら新築」。これが従来の日本人のマンション購入意識だといわれてきました。ところが近年、若者世代を中心に「中古マンション+リフォーム」の購入意識が広がっています。なぜでしょうか?
 

変わるマンション購入意識

 
オウチーノ総研が20~69歳の住宅購入予定者を対象に行ったアンケート調査結果『日本人の住宅意識調査』(2016年2月発表)が話題になっています。
 
同調査によると、まず「あなたが家を買うとしたら」の質問に対して「新築マンション・戸建て住宅にこだわる」が26.6%、「新築注文住宅にこだわる」が26.2%、「中古マンション・戸建て住宅にこだわる」が4.5%、「特にこだわりはない」が42.7%でした。
 
「新築にこだわる」と回答した人の理由の1位は「他人が住んだ家は抵抗があるから」でした。
新築の中でも特に「注文住宅にこだわる」と回答した人の理由の1位は「理想の家を叶えたいから」(生活スタイルに合った間取りや収納などにこだわりたい、自分の要望が通るし作っていく過程を見ることができるので安心など)でした。
「中古にこだわる」と回答した人の理由の1位は「出費を抑えたいから」(価格と品質の良さを兼ね備えた物件を探せそう、値崩れしにくいなど)でした。
「こだわりはない」と回答した人の理由の1位は「気に入れば良いから」(自分の購入条件に合うのであればどちらでも良い、気に入った物件があれば中古でも良いなど)でした。
 
次に「あなたが家を買うとしたら『中古+リフォーム』を選択肢として考えますか?」との質問に対して「積極的に考える」が18.5%、「選択肢のひとつとして考える」が55.3%、「選択肢には入らない」が26.2%で、73.8%が「家を買うとしたら中古+リフォーム」を選択肢として考えることが分かりました。
 
これを年代別に見ると、20代は84.8%、30代は68.4%、40代は74.3%、50代は72.2%、60代は71.2%が「中古+リフォーム」を選択肢のひとつとしています。
「中古+リフォーム」の選択肢は30代を除き幅広い年代層が意識しており、特に20代はこの意識が強いようです。
中古+リフォーム」を「積極的に考える」と回答した人の理由の1位は「費用が抑えられるから」で、具体的には「新築を買うよりも低価格でこだわりが実現できそう」、「購入費を安く抑え、気になるところだけ気に入った最新設備を入れられる」などの声が聞かれました。
理由の2位は「思い通りにカスタマイズできるから」で、具体的には「自分に合った住みやすい環境に変えたい」、「リフォームして、より自分に合った生活ができたら素敵」などの声が聞かれました。
「選択肢のひとつとして考える」と回答した人の理由の1位は「価格次第」で、2位は「物件の環境や状態による」(中古物件の良さを残しつつ生活環境を考え少しずつ改修していきたい、改修・改良の必要度と費用のバランスで検討するなど)でした。
 

「中古+リフォーム」で満たされる注文住宅同等の住み良さ

 
同調査を見ると、「注文住宅にこだわる人」の意識と「中古+リフォームを考える人」の意識には共通点が多いようです。
例えばレディメードの新築分譲マンションの場合は、「自分の身の丈に合ったマンションはどれか」を探し、「多少の不満はあっても総合点が良ければ妥協する」しかありませんが、中古+リフォームの場合は、オーダーメードの注文住宅と同じように「自分の身の丈に合わせた理想のマンション」を得られる魅力が認識され、消費者の購入選択肢として広がりつつあるようです。
 
中古+リフォームの選択肢が幅広い年代層に広がった背景には、国土交通省が2014年3月に発表した「個人住宅の賃貸借ガイドライン」の影響も大きいといわれています。
同ガイドラインは「貸主が修繕を行わず現状有姿のまま賃貸し(賃料を相場より安く設定)、借主が自費で修繕やDIY(日曜大工)を行う借主負担型の賃貸借契約の指針」です。
つまり同ガイドラインは「貸主が賃貸住宅の修繕・設備更新を貸主負担」で行う従来の賃貸借契約に加え、新たに「借主が賃貸住宅の修繕・設備更新を借主負担」で行う「借主負担DIY型賃貸借契約」を追加したもの。不動産業界では「賃貸借契約の規制緩和」ともいわれています。
これにより、賃貸マンションなどでも「中古+リフォーム」が法的に可能となり、老朽化などで空室に悩んでいた賃貸マンションの空室率が下がるケースが増加しているようです。
 
分譲マンションならリフォーム重視の傾向はなおさらのこと。新築より安く、しかも広範囲なエリアから選べる中古マンションを購入してリフォームすれば、それは自分の要望通りに家をつくる「注文住宅」と同等の住環境といえるでしょう。
 
中古+リフォームで気になるのがリフォーム工事費ですが、例えば中古マンションの場合に1部屋当たりの壁紙の張り替えは10万円前後、床などを含めた内装全体の刷新は30万円前後、和室から洋室への変更は50万円前後などが相場といわれています。
しかし、購入した中古マンションのどこからどこまでをリフォームするのか、取り替える設備のグレードをどれにするのか、間取りを変えるのかなどリフォームの度合いにより実際の工事費は大きく異なります。
それでも2DK・3DKクラスの中古マンションなら、1000万円程度の工事費で新築マンションと遜色のない住戸に作り替えることが可能といわれています。
このような動向を踏まえると、「中古マンションのリフォームで理想の我が家作り」が中古マンション購入の新たな主流になりそうな気配です。
編集監修者情報
編集監修者
株式会社大京穴吹不動産
所在地
東京都渋谷区千駄ヶ谷4-19-18 オリックス千駄ヶ谷ビル
設立年月
1988年12月
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