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中古マンションの価格査定が不動産会社により異なる理由
公開日:2016-10-19 00:00:00.0
マンションを売却する際に最も気になるのはやはり価格ですよね。同じマンションでも、不動産会社により査定価格が異なることがあります。どうしてこのようなことが起こるのでしょうか。ここでは、中古マンションの価格査定のしくみを解説します。
中古マンションの価格差は、価格査定のしくみが影響する
居住用住宅の価格査定の方法には、「簡易査定(机上査定)」と「訪問査定(実査定)」の2種類があります。
簡易査定は、周辺エリアの類似物件の売出価格や成約価格、公示地価などの「共通的評価項目」により査定する方法です。大半の不動産会社が、ウェブサイトで依頼受付・回答を無料で行っています。査定依頼が簡単で回答が早いのがメリットですが、査定価格は機械的で大まかな場合も多く、「市場価格の目安」と考えておくのが良いでしょう。ただし、不動産会社によっては、過去の取引データを元に、かなり精度の高い査定をしてくれる業者もあるようです。
訪問査定は、不動産会社の査定担当者が実際にマンションを訪問し、共通の評価項目に加え、立地・周辺環境、物件特性などの「個別評価項目」により総合的に査定します。部屋の汚れや設備のグレード、リフォームの必要性など、訪問しなければわからない物件の状態も査定されます。そのため、市場相場を反映したリアルな査定価格が算出できると考えられます。
不動産会社が持つデータの精度の差による違い
また、不動産会社の持つ情報量により、査定価格に差が出る場合もあります。
査定に用いられる「共通的評価」において重要な要素になっているのが、「不動産流通機構(レインズ)」に登録された成約事例価格です。しかし、このデータベースには、市場で取り引きされたすべての成約事例価格が蓄積されているわけではありません。個人間取引で売却された物件、売り主が不動産流通機構への登録を望まない物件なども少なくないからです。
こうした非公開情報を補正するため、自社取引事例情報を加味して査定価格を算出する不動産会社もあります。取引実績が豊富な大手不動産会社は自社取引事例情報も多く、査定物件の詳細な状況や成約までの経緯がわかるため、査定の精度が高まります。不動産会社が持つデータの精度の差が、査定価格に違いが生じる要因のひとつになっています。
こうした非公開情報を補正するため、自社取引事例情報を加味して査定価格を算出する不動産会社もあります。取引実績が豊富な大手不動産会社は自社取引事例情報も多く、査定物件の詳細な状況や成約までの経緯がわかるため、査定の精度が高まります。不動産会社が持つデータの精度の差が、査定価格に違いが生じる要因のひとつになっています。
査定価格ではなく、査定の根拠が重要
不動産会社は、算出した査定価格を基に、売り主の要望と相場観のバランスを計りながら、売り主に売出価格を提案します。不動産を売りたい方は当然「査定価格が違うなら、高い査定価格を出した不動産会社に売却を依頼しよう」と考えるでしょう。しかし、査定価格を基にしたはずの売出価格が、市場価格に合っている保証はありません。不動産会社が売却を委託してもらうために、相場よりも高い価格を提案しているかもしれないからです。もちろん、そのような悪意のある業者ばかりではありませんが、売却を依頼されなければ不動産会社も商売にはなりませんから、査定価格や売出価格に差が出ることもあるのです。
高めの売出価格を提案してくれた不動産会社に依頼しても、市場相場より割高なら買い手の興味を得られず、売却期間が長期化します。売却期間が長引けば、売出時点の市場相場よりも価値が下がる可能性も出てきます。
逆に、長年の取引経験と最近の取引相場から、売り主にとっては低めと思える査定価格と売出価格を提示した不動産会社に依頼した物件が、市場相場より高価格で早期成約するケースも少なくありません。
満足度が高い自宅マンションの売却をするには、不動産会社が提示した査定価格が「高いか、安いか」ではなく、「査定の根拠がどれだけ明確か」が重要といえそうです。
不動産会社は、算出した査定価格を基に、売り主の要望と相場観のバランスを計りながら、売り主に売出価格を提案します。不動産を売りたい方は当然「査定価格が違うなら、高い査定価格を出した不動産会社に売却を依頼しよう」と考えるでしょう。しかし、査定価格を基にしたはずの売出価格が、市場価格に合っている保証はありません。不動産会社が売却を委託してもらうために、相場よりも高い価格を提案しているかもしれないからです。もちろん、そのような悪意のある業者ばかりではありませんが、売却を依頼されなければ不動産会社も商売にはなりませんから、査定価格や売出価格に差が出ることもあるのです。
高めの売出価格を提案してくれた不動産会社に依頼しても、市場相場より割高なら買い手の興味を得られず、売却期間が長期化します。売却期間が長引けば、売出時点の市場相場よりも価値が下がる可能性も出てきます。
逆に、長年の取引経験と最近の取引相場から、売り主にとっては低めと思える査定価格と売出価格を提示した不動産会社に依頼した物件が、市場相場より高価格で早期成約するケースも少なくありません。
満足度が高い自宅マンションの売却をするには、不動産会社が提示した査定価格が「高いか、安いか」ではなく、「査定の根拠がどれだけ明確か」が重要といえそうです。
売却の第一歩となる査定。まずは複数の不動産会社に査定を依頼し、相場価格を把握することから始めてはいかがでしょうか。その際は今回の記事を参考に「価格の根拠」「不動産会社の取引実績」などに注目してみてください。