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床のリフォーム前に、必ず知っておきたい「遮音性能」

公開日:2016-10-19 00:00:00.0
築年数が古い中古マンションだと、和室が多かったり床がカーペットだったりすることは珍しくありません。そのため、「床をリフォームしてフローリングにしたい」と、お考えの人も多いのではないでしょうか。しかし、このとき忘れてはいけないのが「音」の問題です。
上下階の騒音問題は、マンショントラブルの筆頭格です。床のリフォームやリノベーションを考えるなら、必ず注意したい「遮音性能」について紹介します。
 
マンションの床の遮音等級について
 
マンションの床から下階に伝わる音は「床衝撃音」といい、音の特性の違いから「軽量床衝撃音」と「重量床衝撃音」に分けることができます。これらの遮音等級はL等級で表し、下記の2種類があります。
 
・軽量床衝撃音(LL:レベルライトウェイト)…スプーンを落としたときの「カシャーン」、椅子を引きずったときの「キキー」など、軽くて硬い感じの音
・重量床衝撃音(LH:レベルヘビーウェイト)…子供が走り回ったり、ジャンプしたりするときの「ドタバタ」「ドスンドスン」というような、重くて鈍い音
 
「L等級」は必ずチェック!
 
それでは、マンションの遮音性能を表す数値について見ていきましょう。
上の階で発生した床衝撃音が、下の階に伝わった結果「どの程度の音に聞こえるか」という遮音性能の評価である「L等級」ですが、実際には毎回評価計算することは大変ですので、実験室で測定した床衝撃音レベルの低減量を基準に、標準的なマンション(コンクリート床の厚みが150mm)で使用したと仮定して算出する「推定L等級」が用いられます。これは、LL-45やLH-55というように表記されており、数字の小さいほうが遮音性能に優れています。
しかし、推定L等級は、必ずしもその数値の遮音性を保証するものではありません。そこで最近では、床材の床衝撃音低減性能を表す「ΔL等級(デルタエル等級)」を使っています。これは、使用する床材の単体性能を表しており、ΔLL-1とかΔLH-2のように表記されます。ΔLLは1~5の5段階、ΔLHは1~4の4段階となっており、推定L等級と異なり数字が大きくなるほど遮音性能が高いことを意味します。ΔL等級は2008年に策定された指針ですので、比較的築年数の浅い物件ではこの考えを導入しているものもありますが、多くの中古物件では推定L等級(LL、LH)での表記がされています。日本建築学会では「LL-45」と「LH-50」を1級(遮音性能上、優れている)として奨励していますので、施工の際の目安となるでしょう。
ただし、リフォームやリノベーションをする際に注意しなければいけないのは、マンションの管理規約や使用細則で遮音等級が決まっている場合です。その基準をクリアしないリフォームやリノベーションは行えませんので、施工前にチェックする必要があります。
 
床の工法やスラブ厚も要確認
 
遮音性能はスラブ厚と床の工法によって左右されます。
マンションの床には「直床(じかゆか)」と「二重床」の2種類がありますので、それぞれの特徴を紹介します。
 
・直床
コンクリートスラブに直接フローリング材を貼る工法です。二重床に比べ天井が高くなるメリットがありますが、フローリング材の下にクッション材をつけて遮音性を補うのが一般的ですので、フワフワと柔らかくて沈み込む感じの歩行感となります。
 
・二重床
コンクリートスラブとフローリングの間に空間を設ける工法です。10数cmの空間ができますので、直床に比べ天井は低くなります。一般的にはフローリングの下にクッション材をつけないので、少し固めでナチュラルな歩行感となります。
 
直床、二重床とも、さまざまなメーカーや商品があり、遮音性もさまざまです。リフォームする部屋が現在直床、二重床どちらなのか確認し、またスラブ厚(厚いほうが遮音性は良い)を含め、総合的に選択する必要があります。
 
床は住み出してから「やっぱりこうすれば良かった」と気がついても、あとから直すのが困難な部分です。快適な生活を送るだけでなく、階下の住人とのトラブルを避けるためにも、リフォームやリノベーションの際には遮音性について考慮してください。


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