丈夫で長持ちの「長寿マンション」が増えている理由

2016-11-29 16:46:29.0

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マンションの平均寿命は諸説あり、以前は「46年」ともいわれていました。しかし、最近は築30年を超えるマンションも活発に取り引きされており、購入者の意識としては46年以上の寿命があると考えられていることが想像されます。では、この現実と諸説とのギャップはどこから生まれたのでしょう。
 
マンションの平均寿命は諸説がある

「マンションの平均寿命46年説」は、国土交通省が2002年に発表した「長期耐用都市型集合住宅の建設・再生技術の開発(通称:マンション総プロ)」から来ているようです。
しかし、マンションの平均寿命は、上記以外にも「68年」(早稲田大学・小松幸夫教授「建物の平均寿命実態調査」2013年)、「120~150年」(大蔵省主税局「固定資産の耐用年数の算定方式」1951年)など諸説があります。
 
一方、市場取引を見ると、例えば、2016年8月の首都圏中古マンション成約件数2,384件の平均築後年数は20.26年(東日本レインズ「2016年8月度の不動産流通市場動向」)となっており、20年以上の築年数が全体の4分の1近いシェアを占めています。また、2015年に東日本レインズが発表した「築年数から見た首都圏の不動産流通市場」によれば、築30年を超える中古マンションの成約件数は、全体の24.3%に達していることがわかります。
もしも、マンションの平均寿命を46年とするなら、買ってから10年や15年で住めなくなる中古マンションを購入する消費者はいないと思われます。つまり、市場取引の実態からは、購入者によるマンションの平均寿命は60年以上あるという意識を持っていると考えて良さそうです。
実は、国土交通省が発表した資料の「マンションの平均寿命」は、取り壊されたマンションの「築後経過年数」の平均を指しており、建物の寿命ではないのです。データの中には築後20年程度で取り壊されるマンションもあれば、築後70年以上で取り壊されたマンションもあります。つまり、マンションの寿命については、確実な年数は出せないのが現状です。
 
マンションの寿命を左右するのはコンクリート劣化

前述のように、マンションの寿命について確実な年数は出すことはできません。マンション寿命の差は「コンクリート劣化のしにくさと建物の管理」で変化します。つまり、管理の状態が悪ければ寿命は短くなるのです。
コンクリートはアルカリ性で、空気や水の炭酸ガスにより徐々に中性化します。ですが、コンクリートが完全に中性化しても、強度そのものが極端に変化するわけではありません。中性化することにより空気や水が浸透しやすくなり、結果として鉄骨や鉄筋が腐食し膨張します。鉄骨や鉄筋が膨張すれば、コンクリートにひび割れや剥離を生じさせます。これが、コンクリートを劣化させていくのです。
 
建物が適切に管理されているか否かは、専門知識のない一般消費者でも「共用廊下の壁や天井などにひびがないか?」「コンクリートの欠け落ち跡がないか?」などでチェックできます。また、マンションの修繕履歴は「重要事項に関わる調査報告書」などで調べられますので、マンションの管理体制についてはある程度知ることができます。
しかし、専門知識がなければチェックできないこともあります。それは、コンクリートの「水とセメントの比率」や「コンクリートのかぶり厚さ」などです。これらが強度に優れた割合や厚みを持っていれば、コンクリートの寿命は延びます。これらを調べるには竣工図面を確認したり、建物調査をしたりする必要がありますが、例えば新築時に「住宅性能評価書」が交付されたマンションでは「劣化対策等級」という名称で、どれくらいで寿命がくるかの耐用年数を目安として公開している場合もあります。
「劣化対策等級」は次の3等級により、鉄筋コンクリートなどの構造躯体を構成する建材の劣化の目安を示しています。
 
●等級3…概ね3世代(75~90年)
●等級2…概ね2世代(50~60年)
●等級1…建築基準法に定められた対策がなされている(最低基準)
 
技術進化と官民の取り組みで長寿化に向かうマンション

マンションの長寿命化を阻むそのほかの要因に、排水管などの「設備配管類」の劣化があります。
設備配管類の寿命は25~30年といわれており、劣化により交換が必要となります。ところが、1990年代以前に建築されたマンションには、設備配管類をコンクリートに埋め込んでいるケースもあり、設備配管類の点検・補修が難しい場合もあります。そうなると、設備配管類が劣化すればそのマンションに住むことが難しくなります。
 
2016年5月に成立した宅地建物取引業法改正案では、不動産会社が買い主に対し、「住宅インスペクション(建物状況調査)」の実施結果を説明することが義務化されました。このような国の後押しも、安心して住める中古マンション普及につながるかもしれません。
 
100年以上の耐久力を持った「100年コンクリート」や「200年コンクリート」が実用化され、高級マンションなどに採用されている現在。技術の進化や官民の地道な取り組みにより、今後ますますマンションの長寿化に貢献すると思われます。
 

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