2015年01月沖縄歳時記
『ムーチー』
旧暦の12月8日は、「ムーチー」と言って沖縄では月桃(サンニン)の葉に包んで蒸した餅を台所や仏壇などに供え、家族の健康を祈り、厄払いをする日となっています。(2015年は1月27日です)
餅と言っても、沖縄の「ムーチー」は、本土のお餅のイメージとはかなり違い、杵などでつかず、餅粉に水を加えて練り蒸して作るもの。白糖味の白餅、黒糖味の黒糖餅、紅芋味の紅芋餅と定番の味から、かぼちゃやココアなど、各家庭で様々なバリエーションを作る事もあります。
縁起の良い食べ物である「ムーチー」は、子供のいる家庭では、魔除けとして子供の歳の数だけ天井からムーチーを吊るす「サギムーチー」や、初めての赤ちゃんが産まれた家庭では「初ムーチー」といって親戚や近所に配り歩く慣わしもあります。
「ムーチー」の時期は、沖縄では最も寒い時期であり「ムーチービーサ(ムーチーの寒さ)」という言葉もあるほど。沖縄人にとって「ムーチー」は、冬の到来を告げる季節の風物詩でもあります。