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2016年の首都圏マンション市場予測、供給戸数は3年ぶり増加の4.3万戸

公開日:2016-02-10 00:00:00.0

不動産経済研究所がこのほど発表した『首都圏・近畿圏マンション市場予測』によると、2016年の首都圏マンション供給戸数は4.3万戸の見込みで3年ぶりに供給が増加。近畿圏も2年ぶりの増加で2万戸の見込みとなっています。今年は建設コスト高騰に伴う価格高騰問題も一服するとみられることから、マンション需要は昨年以上に高まりそうな気配です。

都心部の需要増加は限定的も郊外部の需要が急増
同調査によると、2015年の首都圏マンション供給戸数は建設コスト高騰に伴う価格上昇が響き、前年比8.3%減の4万1200戸の見込みとなっています。
エリア別では東京23区が同8.5%減の1万9000戸、東京都下が同15.3%増の5100戸、神奈川県が同15.0%減の8600戸、埼玉県が同0.6%増の4500戸、千葉県が同21.9%減の4000戸となっており、特に千葉県の供給の落ち込みが目立ちます。
ところが2016年はこの状況が一転、供給戸数は前年比4.4%増の4万3000戸の予測となっています。
エリア別では東京都23区と埼玉県が前年比横ばいのそれぞれ1万9000戸、4500戸の予測ですが、神奈川県は同16.3%増の1万戸、千葉県は同12.5%増の4500戸と予測しています。東京都下が唯一、同2.0%減となる5000戸の予測です。
この予測要因について同調査では、
①建設コストの高騰が一服することから新築分譲マンションの価格上昇傾向にも歯止めがかかり、それが消費者に割安感をもたらして購入意欲を高める
②2017年春の消費税増税前の駆け込み需要で、神奈川県や千葉県の郊外型マンションの購入が増加する
③電鉄系デベロッパーが、東京23区近郊の駅近大型物件などの供給強化で巻き返しを図る
と予想しています。

価格上昇の主因は「高級マンションブーム」の影響?
不動産業界関係者の一人は「2015年のマンション価格上昇は、建設コスト高騰の影響よりも、高額でも完売となった都心部の『高級マンションブーム』の影響が大きかった」と振り返り、次のように説明しています。
例えばJR山手線目黒駅前で販売された高級マンションは、平均坪単価600万円という高額ながら約5カ月で全戸が完売。横浜・みなとみらい地区で販売された高級マンションも、平均坪単価440万円の高額物件ながら全戸即日完売になるなど、「冷え込んだ」といわれているマンション市場において、高級マンションの好調ぶりが目立ちました。
高級マンションの堅調さは、価格よりも立地を重視した消費者層の需要に支えられたもので、これは近年の首都圏のマンション市場の特徴でもありました。一方、販売価格の上昇は2015年の建設費高騰よりも2015年以前の用地価格の高騰が主因となっています。2015年以前から好立地の用地取得競争が激化しており、売主の言い値に近い価格で土地取引が行われてきたことが背景にあります。
つまり、近年の高級マンションブームや用地価格の高騰が、首都圏におけるマンション市場全体の価格上昇の主因になっていたという見方です。
同関係者は「そのツケが回ってきたのが2015年に発生した新築分譲マンション市場の急激な冷え込み現象。これ以上の販売価格上昇はマンション市場の構造的な消費冷え込みにつながる恐れもある」と指摘。続けて「2015年までは、用地価格の高騰を販売価格にある程度上乗せすることで価格調整ができたが、2016年はこうした場当たり的な調整ではもう無理。2016年は、建設資金調達金利、営業経費削減、粗利益率見直しなどの抜本的な企業努力で都心部の販売価格抑制に努め、その影響で市場全体を再び温める必要がある」と述べています。
こうした産業界の裏事情も、2016年の供給戸数増加予測の背景にあるものとみられています。今後、マンション価格と実需のバランス動向については2015年以上に注視していく必要がありそうです。
 

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