「マンションの部屋探しはスマホで効率的に」の時代？

公開日：2016-02-10 00:00:00.0

不動産情報サイト運営8社が加盟する、不動産情報サイト事業者連絡協議会がこのほど発表した『不動産情報サイト利用者意識アンケート』の結果によると、回答者の8割強が賃貸および分譲マンションの部屋探しをスマートフォンで行っています。そしてスマートフォンで物件検索をした人の7割強が不動産会社に問い合わせを行い、さらに賃貸物件の場合には、不動産会社を訪問した人の5割近くが成約へと至っています。同調査結果からは、スマートフォンを駆使した消費者の効率的な部屋探し行動が浮かび上がってきます。

20・30代は9割、40代は8割、50代以上も過半数がスマホで部屋探し
同調査は、過去1年間のうちに分譲マンションの購入または賃貸マンションの契約をするため、インターネットで物件情報を調べた人を対象に行ったものです。2003年より毎年実施している定期調査となっています。
それによると、インターネットの物件情報をスマホで調べた人は84.6%、パソコンで調べた人は48.9％、タブレットで調べた人は10.3%。このうち、スマホで調べた人は2011年調査の12.7%から今回調査の84.6%へと、過去4年間で7倍近くも急伸しました。
またスマホで調べた人を年代別に見ると、今回調査では20代以下が94.3%（2013年比1.7倍）、30代が89.0%（同2.5倍）、40代が77.1％（同4.7倍）、50代以上が55.1%（同7.0倍）となっており、過去2年間の比較では年代が高くなるほど伸び率が高くなっています。
これを見ると「20・30代の物件探しではスマホが当たり前」の状況で、50代以上もあと何年か経てば「物件探しはスマホが当たり前」の状況になりそうなトレンドがうかがえます。

こうして物件情報を調べた人の74.2％が、不動産会社に物件の問い合わせを行っています。
物件別では、分譲マンションなどの売買物件検討者の80.9％、賃貸マンションなど賃貸物件検討者の68.5%が不動産会社へ物件の問い合わせを行っています。
「物件の問い合わせをした不動産会社数」は売買物件検討者が平均3.5社、賃貸物件検討者が平均3.0社、「問い合わせた物件数」は売買物件検討者が平均5.4件、賃貸物件検討者が平均5.3件となっています。

「問い合わせをする不動産会社を選ぶポイント」のトップ3はというと、売買物件検討者の場合は、「物件の写真点数が多い」（64.8%）、「たくさんの物件を掲載している」（41.4%）、「物件のウィークポイントも書かれている」（35.8%）などが挙げられています。賃貸物件検討者の場合には、「物件の写真点数が多い」（79.1%）、「たくさんの物件を掲載している」（46.8%）、「店舗がアクセスしやすい場所にある」（39.6%）などとなっています。いずれも上位2ポイントが共通しており、マンション購入を検討している人はネットで物件情報を視覚的に確認でき、在庫物件も豊富な不動産会社を選んで問い合わせをする傾向が強いようです。

効率的な部屋探し行動をする消費者
物件の問い合わせをした後に、実際に不動産会社を訪問した人は全体の85.8%に上ります。このうち売買物件検討者は88.3%、賃貸物件検討者は83.4%が訪問しています。訪問率は売買物件検討者の方がやや高くなっているのが特徴です。
訪問した会社数の全体平均は2.7社で、売買物件検討者の場合は3.0社、賃貸物件検討者の場合は2.3社となっています。かつての部屋探しでは「不動産会社訪問数は平均10社」といわれていましたが、訪問会社数がここまで激減したのは、スマホ検索などで本命の不動産会社を絞り込み、効率的に不動産会社を訪問する部屋探し行動が定着した結果とみられます。

効率的に不動産会社を訪問しているせいか、契約率も高いようです。
不動産会社を訪問した人の41.9％が物件契約をしています。その内訳は、売買物件検討者は35.5%、賃貸物件検討者は48.8%となっています。また、「契約即決はしなかったが引き続き契約を検討している」人は、売買物件検討者は60.0%、賃貸物件検討者では48.8%に上り、これらを加えると共に95％を超えます。

現在の消費者は、住宅市場においても「時間を無駄にしない」部屋探し行動をとっているようです。今後はより物件探しの利用シーンを想定した情報提供ができるかどうかで、契約に至るかどうかの確率が変動してきそうです。

2016-02-10 15:48:27.0

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