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不動産投資がフルローンで?フルローンで投資するメリットとデメリット
公開日:2017-11-16 00:00:00.0
不動産投資を始めるには、まず収益物件を購入しなくてはなりません。その際に必要なのが十分な資金です。資金を調達するために金融機関から融資、つまりローンを受ける方は多いでしょう。中には、できるだけ自己資金を温存させ、融資でまかないたいと考える方もいるかもしれません。
今回は、全額融資と呼ばれる「フルローン」について、そのメリットとデメリットをご紹介します。
不動産投資におけるフルローンとは
不動産投資におけるフルローンとは、物件購入代金をすべて融資で支払うことです。フルローンは「全額融資(全額ローン)」とも呼ばれています。全額をローンでまかなうことにより、自己資金は諸費用にかかる金額のみで、物件を手に入れることができます。
フルローンの融資を受ける条件のポイントはいくつかあります。
まず、不動産の担保価値が融資金額よりも高いこと。不動産が右肩上がりで高騰を続ける可能性が高い場合、または不動産から得られる収益が見込める場合など、金融機関にとって融資をしても安全と判断されなければなりません。また、賃貸経営という事業に対する融資のため、借り手の資金力や経営実績といった融資希望者の属性も重要とされているなど、フルローンで融資を受ける条件は、一般的に厳しいといわれています。
不動産投資におけるフルローンのメリット
不動産投資におけるフルローンの最大のメリットは、自己資金の持ち出しがないため、自己資金を減らさずに物件を購入できることです。自己資金を他のことに活用することによって、スピーディーな資産形成が可能となります。
例えば新たに投資したい物件が出てきた場合、チャンスを逃さずに不動産投資を拡大することができるのです。また、後になって何か問題が生じたときのために、自己資金を温存しておくこともできます。
また、フルローンを活用することにより、自己資金だけでは購入が難しい、高級マンションなどの価額の高い物件にも投資をすることができます。フルローンにすることで、不動産投資の選択肢が大幅に広がるということは大きなメリットといえるでしょう。
不動産投資におけるフルローンのデメリット
フルローンにする場合、借入金額が大きくなり、同時に利息も増えてしまいます。返済が大きくなるほど空室リスクや金利上昇のデメリットを受けやすくなることが考えられるでしょう。
また、家賃収入が少ないと月々の収益がマイナスになる可能性もあります。さらにフルローンの返済が終わっていない状態で、退去に伴うリフォームによりリフォームローンを組んだ場合や、突発的な修繕費が発生した場合などで、月々の返済が苦しくなり、収支を圧迫してしまう可能性もあります。このようなことを念頭に置いておく必要があるでしょう。
長年同じ物件への投資をした場合、収益性の低下や不動産の老朽化など、問題となる点が出てくることもあります。その場合、他の収益性の高い物件への買い換えを考えることが自然ではないでしょうか。しかし、フルローンで融資を受けて自己資金のみでは手が出ないような高価な不動産を購入した場合、いざ売却したいと思っても価格帯が高価なため、なかなか買い手が見つからないという可能性もあります。その場合、相場を大幅に下回る価格で売却せざるをえない状態になることも考えられるのです。
そうなった場合、多額な損失が生じ、フルローンで受けた融資の残額を自己資金で補填しなければいけなくなり、返済が厳しくなる可能性が生じます。返済できない場合は、金融機関が抵当権を外すことができなくなり、売却自体ができなくなる可能性も出てきます。
こうした点から、フルローンはリスクの高い投資だと考える投資家もいるようです。
おわりに
フルローンは少ない自己資金で不動産投資が可能となるため、投資効率が高く、大きな利益を生み出すことができる融資方法です。しかしその分リスクも大きいと考えられます。しっかりとリスクを把握した上で、いかにフルローンを活用するかが重要ではないでしょうか。フルローンを考えている方は、余裕のある返済計画やリスクヘッジの方法も含めて、入念に検討されることをおすすめします。