2016-11-08 00:00:00.0
新中計策定。マンション管理、流通、リノベなどストック事業さらに拡大/大京グループ
(株)大京代表取締役社長((株)大京アステージ代表取締役を兼任)の山口 陽氏はこのほど専門誌記者と会見。10月26日に策定したグループ中期経営計画(2017年3月期〜21年3月期)の狙い等について語った。
同計画では、キーメッセージを「Reプラス」と定め、「リフォーム」「リノベーション」「賃貸(Rent)」「再開発(Redevelopment)」など、ストック型社会に対応した事業へのさらなる注力を打ち出した。すでに、営業収益における非分譲事業のシェア(16年3月期)は、08年3月期比42ポイント増の64%まで拡大しており、今後は不動産管理事業の収益シェアを50%、不動産流通事業+不動産開発事業で残り50%という収益バランスを維持していく。
「当社はリーマンショック後いち早くストック事業を拡大し、大手ディベロッパーに先駆け、高回転型の事業モデルを作り上げた。ただ、ストック事業も、そう簡単に収益が伸ばせる環境ではない。当社の武器は、お客さまに一番近い場所で、悩み事や相談を聞いていること。そうした現場の声をビジネスにつなげていきたい」(山口氏)。
管理事業は、他社物件のシェア拡大など修繕工事売上を伸ばし、21年3月期の修繕工事売上高500億円(16年3月期比57.7%増)を目指す。「高経年マンションは、適切なメンテナンスをしないと維持が難しい。壊れたから直そうではなく、データや資料をもとに壊れないよう事前に修繕する提案を管理組合に行なっていきたい」(同氏)。
リノベーション事業は、全国店舗での仕入れを強化し、新たに戸建てリノベも開始。21年3月期の買取再販によるリノベーション販売戸数2,500戸(同1,264戸増、うち戸建て300戸)と倍増。マンションは、グループ力をいかし、「75日モデル(仕入れから販売まで75日以内)」と呼ぶ高回転型のビジネスモデルを確立する。「戸建てリノベは、地方都市を中心に展開するが、東京郊外も空き家が増えておりマーケットとして期待できる。穴吹工務店グループは戸建ての目利きがあるが、買取再販ビジネスは手掛けてこなかった。逆に大京不動産販売のスタッフは戸建てが苦手。お互いのノウハウを吸収しあって伸ばす」(同氏)。
流通事業は、三大都市圏中心から全国へ営業エリアを拡大。自社グループのマンション仲介の捕捉率を引き上げていく。「自社マンションの年間仲介件数2万4,000件のうち、グループが仲介しているのは1万件に過ぎない。お客さまのニーズを把握し、仲介手数料の割引など当社に依頼することによるメリットやお得感をきちんと確立していく」(同氏)。
一方、分譲事業は地方都市や再開発をメインに、年間3,000戸前後を安定供給水準としていく方針。「全国各地に事業所があるのが、再開発事業の受託に強みになっている。特に、大手財閥系の進出していない地方都市は有望だ。穴吹工務店は再開発の依頼を受けてもこなすノウハウがなかった。そういう情報を、大京グループとして事業化していく。数年前からスタッフに再開発プランナーの資格を取得させ、ノウハウを積み上げている」(同氏)。