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2012-04-26 00:00:00.0

既存マンション用「ホームインスペクションマニュアル」を作成/JSHI

 NPO法人日本ホームインスペクターズ協会(JSHI、東京都中央区、理事長:長嶋 修(株)さくら事務所代表取締役社長)は25日、既存マンション(区分所有者向け)ホームインスペクション(住宅診断)マニュアルを作成。同日、傘下会員などを対象とした同マニュアル運用のための講習会を開催した。

 「ホームインスペクションマニュアル」は、ホームインスペクター(住宅診断士)がインスペクションを実施する際の手引書。同協会では、すでに2010年「既存木造住宅向け」マニュアルを作成しているが、インスペクションニーズ全般の高まりと、大都市圏における既存マンションへのインスペクションニーズも増えつつあることから、1年間かけて既存マンションに特化したマニュアルを編纂した。

 同マニュアルでは、目視&非破壊の「一次診断」を条件に、ユーザーに提供すべき診断・調査項目や事前確認すべき点、各部位におけるトラブルや劣化の代表例と講じるべき対策などを写真入りでまとめている。また、調査部位は、マンションの「専用部分」と「専用使用権のある共用部」を必須とし、その他の共用部と管理運営状況についてはホームインスペクターの独力では調査が難しく時間がかかるものも多いことからオプション扱いとした。

 講習会では、同マニュアルを参考にしながらの具体的な診断方法について、同協会公認ホームインスペクターの林 郁夫氏が講演。同氏は、劣化の具体例や補修方法をマニュアルに沿って解説したほか、劣化させない、現在の劣化を進行させないためのユーザーへのアドバイスや、優秀な施工方法であればユーザーに知らせておくといった、ホームインスペクターと顧客とのコミュニケーション手法にも言及した。

 また、講習会の最後には、同協会理事長の長島 修氏が挨拶。同氏は「ホームインスペクションは一般ユーザーにはまだあまり知られていないが、不動産仲介業者や工務店、リフォーム業者の間では、既存住宅流通市場を取り巻く仕組みとしてコンセンサスを得ている。わが国のホームインスペクション普及率は1%にも満たないが、普及率が70%になるとしても70倍に市場が拡大するし、中古住宅流通市場自体、3〜5倍に拡大が見込まれており、既存住宅流通市場になくてはならない機能となる。それだけでなく、国民の資産価値や内需拡大まで、影響を与える重要な仕事となる。責任と誇りを持って頑張ってほしい」などと語った。