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法律

2015-05-26 00:00:00.0

空家特措法が全面施行。ガイドラインで「特定空家等」の基準示す/国交省

 国土交通省は26日、「空家等対策の推進に関する特別措置法」(空家特措法)の全面施行に伴い「特定空家等」に対する措置の適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン)を公表した。

 空家特措法では、破損等が著しく保安上危険となるおそれのある状態や、著しく景観を損なっている状態の空家を「特定空家等」とし、措置実施のための市町村による立ち入り調査や、指導・勧告・行政代執行による強制執行も可能とすることを定めている。ガイドラインでは、市町村が「特定空家等」の判断の参考となる基準、および「特定空家等に対する措置」に係る手続きについて、参考となる考え方を示したもの。
 
 「特定空家等」の判断については、状態判断に際しての基準を(1)「放置すれば保安上危険となるおそれのある状態」(2)「放置すれば衛生上有害となるおそれのある状態」、(3)「適切な管理が行なわれておらず著しく景観を損なっている状態」、(4)「周辺環境の保全のために放置することが不適切である状態」に分けて例示した。

 (1)は、基礎の不同沈下や柱の傾斜、土台の腐朽・破損、屋根の変形、バルコニーの腐食・破損など、(2)は、石綿等が飛散し暴露の可能性が高い、排水などの流出、ゴミ等の放置、不法投棄による臭気の発生などがあること、(3)は、屋根、外壁などが外見上大きく傷んだり汚れたまま、窓ガラスが多数割れたまま放置、建築物の全面を覆う程度の立木などがあること、(4)は、動物の糞尿その他汚物の放置による臭気発生、シロアリの大量発生、窓ガラスが割れている等不特定の者が容易に侵入できる状態など、具体例を挙げて基準を示している。

 また、外見上危険と認められる空家について、外観目視では足りずに敷地内に立ち入って状況を観察できるものとし、立入調査を行なおうとするときは、その5日前までに所有者等に通知しなければならないとした。

 勧告については、相当の猶予期限を付けて、所有者に対して、その内容・事由、勧告責任者を示すこと、所有者等が勧告に係る措置をとった場合、勧告責任者に報告すること、勧告に係る措置をとらなかった場合には、市町村長は所有者等に命令を行なう可能性があること、住宅用地特例の対象から除外されることを示す、などとした。

 「特定空家等」該当家屋で、市町村長が所有者に対し除却、修繕など必要な措置をとることを勧告した場合、固定資産税等の住宅用地特例の対象から除外されるが、勧告・命令に係る措置を実施し、勧告・命令が撤回された場合は、再び特例適用対象となるとした。

 ガイドラインは、ホームページで公表している。