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地価・市況

2015-08-10 00:00:00.0

地場不動産仲介会社、景況感は足踏み状態/不動産流通研究所調査

 (株)不動産流通研究所は10日、2015年4〜6月期の「地場の不動産仲介業における景況感調査」の結果を公表した。アットホーム(株)に研究を委託し行なっているもの。

 北海道、宮城県、首都圏、静岡県、愛知県、近畿圏、広島県、福岡県のエリアごとに業況判断指数(DI)を算出。DIは「50」が前年並み。アットホームの全国不動産情報ネットワーク加盟店のうち、同一都道府県内で5年を超えて不動産仲介業に携わる2万4,356店の経営者や役員、管理職を対象にインターネットで調査。有効回答数は671店。

 4〜6月期の賃貸仲介DIは、北海道40.0(1〜3月期比7.2ポイント低下)、宮城県31.6(同3.0ポイント上昇)、首都圏40.5(同 3.0ポイント低下)、静岡県36.9(同13.1ポイント低下)、愛知県40.6(同7.4ポイント低下)、近畿圏40.4(同1.5ポイント低下)、広島県47.7(同4.5ポイント上昇)、福岡県56.9(同3.3ポイント上昇)。前期を上回ったのは宮城県、広島県、福岡県の3エリアにとどまった。

 15年7〜9月期の見通しでは、北海道45.0、宮城県31.6、首都圏38.4、静岡県38.6、愛知県42.7、近畿圏40.6、広島県50.0、福岡県48.6。首都圏、近畿圏では大幅な変動はなく、その他のエリアでは予測がまちまちとなった。

 不動産会社からは、初期費用を抑えたいという消費者が多く、「敷金0礼金0の物件が増えた」(横浜市)との声がある一方、「賃料が高めでも(内装の仕様や設備等)グレード次第で入居者は募集可能」(大阪市)など、高額物件の需要の高さもうかがえた。

 一方、売買仲介DIは、北海道58.3(同22.2ポイント上昇)、宮城県46.7(同15.8ポイント低下)、首都圏45.0(同3.2ポイント上昇)、静岡県39.0(7.3ポイント低下)、愛知県47.9(同9.4ポイント上昇)、近畿圏42.9(同3.7ポイント低下)、広島県41.7(同 4.2ポイント上昇)、福岡県51.1(同0.0ポイント)。8エリア中、首都圏、北海道、愛知県、広島県、福岡県の5エリアで前期を超えた。東京都心5区では14年10〜12月期から2期連続で上昇していたが、今期は横ばい。一方、福岡県の売買は好調で、DI値は2期連続で50を超えており、広島県も3期連続で改善した。

 15年7〜9月期の見通しは、北海道55.0、宮城県40.0、首都圏42.5、静岡県47.1、愛知県44.0、近畿圏46.2、広島県45.8、福岡県55.4。首都圏、近畿圏では大幅な変動はなく、その他のエリアでは見通しについての予測は分かれた。

 回答した不動産会社からは、中国等からの投資の動きが今期も依然として活発との声が聞かれた。その傾向は都心部だけでなく周辺地域にも広がっている様子。一般消費者は「低価格の物件に人気が集中し、物件によっては取り合いの状態になっている」(大阪府吹田市)など、低額志向が続いている。また、「土地が高騰していて仕入れが大変」(大阪市)、「駅に近い物件は動くが、駅から徒歩15分以上の物件は動きが鈍いと感じる」(京都市)などの声が挙がった。