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2015-11-12 00:00:00.0

ホンダとコラボし「燃料電池自動車」と住宅との連携を提案/LIXIL住宅研究所

 住宅フランチャイズチェーンを展開する(株)LIXIL住宅研究所は11日、本田技研工業(株)との共同によるコンセプト住宅モデル「次世代レジリエンスホーム『家+X』Powerew by Honda」を発表。東京都葛飾区の実験モデルハウスを公開した。

 同社では2008年より社会的な課題の解決策を住宅モデルで提案しており、自社FCの商品開発に生かしている。今回のモデルは、地球温暖化や高齢化問題、エネルギー自由化などの社会問題をテーマに、住宅単体での提案ではなく、住まいと自動車、エネルギー、テレビなどの要素を組み合わせた新しい提案を盛り込んだ。

 モデルハウスは2階建て、延床面積190.80平方メートル。1階中央にビルトインガレージを設け、雨に濡れない乗降や、デッキによる段差のない車いすの乗降を可能にした。このほかにも、キッズデザイン対応や、生活シーンに合わせた自動調光照明、地中熱を利用した輻射式冷暖房など、さまざまな要素を提案している。

 最大の特徴は、燃料電池自動車(FCV)からエネルギー供給できるV to Hシステムの搭載。電気自動車やプラグインハイブリッド車(PHV)と接続して、住宅から自動車への給電だけでなく、非常時などに自動車から住宅に供給する試みは前例があるものの、商品化を見込んだ普及型住宅でFCVと住宅をつなぐ試みは日本初。住宅とFCVとの連携が可能になれば、災害時や停電時など、商用電力が届かない場合にも約7日間通常の生活が送れる電力をFCVから得られるという。「例えば、行政がFCVを保有しておけば、災害時に各家庭に電力供給できる体制も考えられる」(本田技研工業)。

 エネルギー問題への対策として、ホンダが販売する停電時に自立できるガスエンジンコージェネレーションシステムと、レモンガス(株)と提携したLPガスの利用、太陽光発電システムを組み合わせたエネルギーシステムを提案。Q値0.98という高い断熱性の躯体と合わせ、「生涯にわたるエネルギーコストの最小化」を目指す。

 モデルハウスでは、来春の商品化に向けてエネルギー消費量やコストダウン方策などの検証を進めていく。同社が運営するアイフルホーム・フィアスホーム・ジーエルホームの3FCのいずれかに限定して販売するのではなく、それぞれがターゲットとする需要層に合わせてパッケージングするなど、FCの枠にとらわれずに展開していく可能性が高いという。

 なお、V to H関連技術の商品への導入については、ホンダのFCVの型式認定や電力自由化といった外部環境の整備状況によって左右されるため未定。