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2016-01-12 00:00:00.0

杭工事問題で外部調査委員会が中間報告書/旭化成

 旭化成(株)は8日、旭化成建材(株)による杭工事施工物件データ流用に係る外部調査委員会(委員長:鈴木和宏弁護士)による中間報告書を公表した。

 調査は2015年〜16年1月7日の期間、17回実施。旭化成建材に現存する本件杭工事に関する契約書類、本件施工報告書他工事関係書類等のほか、社内調査委員会で合計50名の関係者に対して行なったヒアリング結果について精査・検証した。

 データ流用の原因・背景では、杭工事現場においてデータの適切な取得および保管ができていない点、データがないことを申告せずデータ流用によって施工記録を形式的に整えることで良しとしている点、長年かつ多数回にわたってデータ流用を発生させてきた旭化成建材の管理体制・教育体制を問題点を挙げた。

 それに対する効果的な再発防止策に関しては、本件マンションにおける原因・背景分析に限定した範囲で、再発防止策概略を説明するに留めるとした上で、データの適切な取得・保管のための措置、データの適切な取得・保管のための措置、データがない場合にデータ流用を行なわせないための措置、適切な管理体制・教育体制の構築などを提言した。

 データ流用が行なわれた根本的な原因・背景の一つとして、「適切に杭の施工を行なうことの重要性は、現場責任者の間で認識されているものの、そのデータを適切に記録・保管することの重要性については意識が低かった」ことを挙げた。旭化成建材は、このような現場の感覚に対し、適切な管理体制・教育体制を取っておらず、その結果として長年かつ多数件に及ぶデータ流用という事態を招いてしまったと指摘。建物の安全性確保を重大な責務としている杭工事事業者として、その責務を充分に果たしていなかったと評価せざるを得ないとしている。

 同委員会は今後、本件マンション以外の杭工事に関する調査も経て、総合的な原因・背景分析を行なう予定。