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2020-11-12 00:00:00.0

設立50周年で「FRK提言」策定


 (一社)不動産流通経営協会(FRK)は12日、同協会設立50周年を記念してとりまとめた「FRK提言2020」を発表した。
 不動産流通市場の発展、新たな不動産流通の在り方について具体的な提案をするために会員企業らと検討を重ねて策定した。顧客満足の追求を基本理念として、「安心・安全に取引できる市場」と「住宅への多様なニーズが充足される厚みのある市場」の2つの目標を設定。その上で、「FRKの役割」「行政に求めること」「業界として取り組むこと」「事業者に求めること」といった4つの視点での行動指針を示した。これらの指針に基づき、FRKが実施する各種調査で得たエビデンスを生かして具体的な政策提言に盛り込んでいく予定。
 「安心・安全」については、インスペクションや既存住宅性能評価など類似の建物評価制度を再編し、統一したプラットフォームの下で建物の品質評価をすべきだと行政に政策提言していくことを盛り込んだ。また、マンションの共用部や管理の状況を不動産流通事業者が容易に得ることができない状況を鑑み、マンションに最適化した流通支援パッケージ政策も求めていく。
 「厚みのある市場」の実現に向けては、住宅ローン減税をはじめとした税制特例等の最低床面積要件の引き下げを通じてコンパクトな分譲マンションの新規供給を促進し、将来のストック積み上げにつなげるほか、複数拠点生活ニーズへの税制面での対応を提言していく。「大手事業者と地場事業者の連携も進めなくてはならない。それぞれが得意分野を生かすことで、物件だけでなく多様なサービスも提供できる」(同協会専務理事・桑田俊一氏)。
 また同日、ホテルオークラ東京(東京都港区)にて50周年記念講演会・祝賀会を開催。新型コロナウイルス感染防止の観点から、参加者は会員のみとし、ソーシャルディスタンスを確保した座席配置とした。
 冒頭、FRK理事長の山代裕彦氏が挨拶。「設立された50年前の住宅政策はまだ『量』を追求しており、既存住宅の流通という概念は強くなく、実務面においても近隣エリアの不動産事業者が対面で情報交換するという時代だった。そうした中で設立された当協会は、情報検索システムを開発、業界に先駆けてインターネットによる物件検索を導入するなど、業界をリードしてきた。この50年間、不動産流通市場を取り巻く社会・経済環境が激動する中、不動産流通業界に対する期待や役割はますます高まっている。これからは次の50年に向けて顧客志向を前面に掲げて展開していく」などと述べた。
 その後、医師で作家の鎌田 實氏が「コロナ時代を生きるヒント〜コロナを乗り越え自分らしく100年を〜」をテーマに講演した。