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2024/9/18

DX支援へオープンデータ活用マニュアル

 (公財)不動産流通推進センターは18日、2023年度の調査研究報告書「オープンデータを活用した不動産DXのすすめ−今すぐできる顧客サービスの向上・業務効率化−」を公表。無償公開を始めた。
 22年度にIT・DXに関して調査・研究した「不動産流通業界におけるIT技術の利用状況、効果と課題に関する調査報告書」において、不動産事業者の多くがIT活用やDXの重要性を理解しながらも「コストが掛かる」「どうしたら良いか分からない」といった理由で二の足を踏んでいる例が多かったことから、23年度は物件調査に役立つオープンデータをテーマとした。今回の報告書は、国土交通省が主導している日本全国の3D都市モデルの整備・オープンデータ化プロジェクト「PLATEAU(プラトー)」や「国土地理院地図」などを活用し、物件調査の効率化手法を紹介するマニュアルとしての役割を持たせた。
 「プラトー」の活用では、物件の眺望、洪水浸水想定区域を3D画像で確認する方法について、画像を使いながらマウスをどのように操作し、画面のどこをクリックすればよいかといった細かな手順を紹介している。「日照や日陰の状況を調査するには、現地に長時間滞在しなくてはならなかったが、プラトーを使えば、365日24時間の日照状況を確認できる。これを、顧客への物件提案に生かせれば、不動産事業者の業務の付加価値が上がる」(不動産流通センター研究所研究部研究員・麻 剣英氏)。このほか、「国土地理院地図」を使った物件までの経路の勾配の調査や、「国土数値情報ダウンロードサイト」を活用した物件周辺情報マップの作製等といったユースケースの手順を紹介している。
 同センターでは今後、各地域の業界団体と連携してIT活用・DXに踏み切れない不動産事業者への研修会を行なっていく計画。「これはあくまで不動産業界のDX推進に向けた初弾の取り組み。別の形でも支援を行なっていく」(同氏)。その一環として、今後は同センターが提供している「売却価格提案リポート」との連携を検討していくほか、教育・研修におけるDXなどについて調査・研究を進めていく。