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2017-01-31 00:00:00.0

経営者の住宅景況感、受注戸数3期連続減も金額はプラスを継続/住団連調査

 (一社)住宅生産団体連合会は31日、2017年1月度の「経営者の住宅景況感調査」結果を発表した。四半期に1度、過去3ヵ月の実績と今後3ヵ月の見通しを前年同期と比較して結果を指数化しているもので、住団連および傘下団体の法人会員18社のトップにアンケートした。

 16年度第3四半期(16年10〜12月)の受注実績は、総受注戸数はマイナス15(前期:マイナス11)、総受注金額プラス4(同プラス15)。戸数は3期連続のマイナスとなったが、金額はプラスを継続。各社からは、「市場・景気の不透明感が続き、決断が先延ばしになる傾向があった。第3Q後半からは大型物件の受注が伸びた」、「賃貸住宅以外は低調な市場傾向が続いている」といった意見が寄せられた。低金利の効果についてのコメントはなく、戸数の減少に歯止めがかからなかった。

 戸建注文住宅の実績では、受注戸数マイナス25(同マイナス3)・金額プラス3(同プラス20)に。戸数は総数同様3期連続での減少となり、金額はプラスを維持したものの予測を下回った。

 戸建分譲住宅の実績は受注戸数マイナス28(同マイナス25)・金額プラス11(同マイナス10)と、ともに3期ぶりにプラスに転じた。
 低層賃貸住宅の実績は、受注戸数マイナス21(同プラスマイナス0)・金額マイナス17(同プラス17)と、予測(戸数プラス29、金額プラス33)を大きく下回った。一昨年は反動減から持ち直し、昨年は好調であるものの前年のハードルが高く減少、今年はそこからさらに減少となった。
 リフォームの実績は、受注金額プラス4(同マイナス11)と、予測を下回るものの再度プラスに転じた。

 今後3ヵ月(17年1〜3月)の予測は、総受注戸数プラス19・総受注金額プラス29。「昨年の1〜3月は、消費税引き上げを見据えた受注が好調でハードルは高く、かつ商談の長期化も続くと見られる。ただ、歴史的低金利の住宅ローンが住宅購入の好材料であることに変わりはない」、「株価上昇に伴い、高所得者層の需要増が予想され、単価の上昇・大型物件が牽引する見通し」といったコメントが寄せられた。各社さらなるプラスの見通しとなっているが、予測を裏付けるほどの好材料は見えていないのが現状。

 同日の報告会で、同連合会専務理事の小田広昭氏は、「これまで好調だった賃貸住宅が冷え込み始めて、人口・世帯数が減少する中で、今後は住宅の質を高めるストックの方に、民間の住宅投資をつなげていくことが肝になる」などと話した。