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人生100年時代、資産寿命が鍵を握る! 不動産を使ったハイブリッド資産形成術

公開日:2021-02-12 00:00:00.0

Writer
黒須 かおり 氏

人生100年時代と言われ、寿命も延びていく中、預金の金利は上がらず老後のお金が不安だという人は増えています。このような時代だからこそ、資産形成は計画的に準備しなければなりません。

老後のために準備したお金は、貯めるだけでなく寿命を少しでも長く延ばしていく工夫も必要になります。そこで今回は、資産寿命を延ばすための「ハイブリッド資産形成術」について解説したいと思います。

超長期ライフプランの必要性


令和元年(2019年)の簡易生命表によると男性の平均寿命は81.41歳、女性の平均寿命は87.45歳になっています。64年前の1955年と比べると、男性は約18年、女性は約20年も寿命が延びていることがわかります。



また、「男女別百歳以上高齢者数の年次推移」を見ると、100歳以上の人口も増え続けており、2020年では100歳以上の人口は8万人を超え、1989年と比較すると約26倍になります。


仮に100歳まで生存したとすると、65歳で定年退職を迎えてから、老後の期間は35年間になります。ですから、定年退職を迎えてから人生を豊かに過ごすためには、超長期のライフプランを考える必要があるのです。

さらに、今の日本では給料の右肩上がりなど期待できません。また、一生働き続けたとしても、受給できる公的年金額は十分とは言えず、国の「財政検証」を見ても将来の公的年金額の上昇は期待できません。
つまり、人生は長くなるのに、公的年金だけには頼れない時代になっているのです。これから老後を迎える世代の私たちは、自分で老後の収入源や資産を準備しておくことがとても重要なのです。

資産形成の基本は分散投資


超低金利の現代では、預貯金だけでは増えないため資産形成に目を向ける必要があります。
とは言え、資産運用には常にリスクとリターンを伴いますので、その関係をよく理解して、自分のリスクにあった配分で始めると良いでしょう。
資産形成のリスクを減らす方法として、分散投資があります。分散方法には、現預金や、金融商品、現物などの「資産の分散」の他、日本やアメリカなどの先進国、新興国など「地域の分散」、購入するタイミングを分散する「機会の分散」などがあります。
資産の分散、地域の分散、機会の分散は知っている人も多いと思いますが、「資金の分散」という方法はあまり知られていないように思います。実は3つの分散に加えて、「資金の分散」をすることもできます。私は、これからは「資金の分散」も併せた「ハイブリッド資産形成術」が有効になると考えます。

ハイブリッド資産形成術とは


「ハイブリッド資産形成術」とは、給料などの自己資金での金融商品への投資と、金融機関からの借り入れでの不動産投資を行うような、異なる資金での資産形成方法です。
不動産投資は、空室や家賃の下落、金利上昇などさまざまなリスクはあるものの、一般的にインフレに強く、家賃収入は、物価とともに緩やかに変動する傾向があります。
特にローン返済後、定期的な家賃収入があることにより、資産の取り崩しを先延ばしする効果があります。つまり、人生100年時代の資産形成のキーワード「資産寿命を延ばす」ことに大きく貢献するのです。

まとめ


老後の資金は、いつかは底をつくかもしれません。資産そのものに、寿命があることを知っておきましょう。資産形成をする段階から、将来の収入源を作っておけば、将来資産を取り崩す速度を遅くし、資産寿命を延ばす仕組みができます。自己資金と他人資本を上手に使ったハイブリッド資産形成術であれば、無理なく資産形成をすることができるでしょう。


Writer
黒須 かおり 氏

ファイナンシャルプランナー CFP®
FPラポール株式会社代表取締役
一般社団法人理想の住まいと資金計画支援機構所属会員。
専業主婦時代にお金にまつわる失敗をしたことをきっかけに2007年FP資格取得。
ライフプランの変更が多い女性こそ、お金の知識を身につけ自分で自分の人生の選択肢を作れるようにならなければならいという思いから2016年「パートナーに頼らない経済的自立を目指す女性」をサポートするため個人事務所FPofficeRapportを設立し独立。

女性を中心にマネーとキャリアのコンサルティングを行う。
2019年個人事務所からFPラポール株式会社を設立し、代表取締役に就任。

編集監修者情報
編集監修者
オリックス銀行
ホームページ
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