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沖縄いろいろ見聞記

2015年03月沖縄歳時記

『三線は沖縄の心』

沖縄の芸能を支える楽器として親しまれている「三線」。

沖縄の三線は、中国福建省から15世紀以降に琉球王国に伝えられた「三弦」を原型とする楽器で、独自の発展を遂げました。両面に蛇皮を張った木製の胴に棹をつけ、三本の弦を張り、水牛の角製の爪をはめて弾きます。本土の三味線の起源の一つとも言われています。

琉球王国時代は、高価な蛇皮を張った三線は富の象徴とされ、床の間に飾ったりする文化もありました。昔から親しまれてきた三線ですが、戦後の何もない時代には空き缶に弦を張り、「カンカラ三線」を作り、辛い時代を乗り越えてきた歴史もあります。

どちらにせよ、沖縄の人々にとって三線は、かげかえのない楽器であるという事がおわかりになると思います。

特に、近年では90年以降の沖縄ブームから人気ミュージシャンが三線を取り入れた曲を発表したり、沖縄出身のアーティストも積極的に取り入れていることから三線を弾きたいという方が増加。人気が高くなっているようです。

全国的な三線人気に伴い、地元のラジオ局主催で3月4日を「さんしんの日」として、当日の正午から平和を願い、皆で祝いの曲である「かぎやで風」を弾くというイベントを開催しています。
心地よい三線の響きは、聞く人を惹き付ける魅力を持っています。

あなたも、ひとつ始めてみてはいかがでしょう?

三線

2015年03月沖縄・住まいのトリビア

『屋敷の御願』

沖縄では、昔からの風習で旧暦の2月・8月・12月に「屋敷の御願」を執り行います。

「屋敷の御願」とは、自分の住んでいる家の屋敷の神様に日頃の感謝を捧げる拝みのこと。沖縄では、土地は神様からお借りしているという考えがあるため、土地の神様に1年間の家族の健康と子孫繁栄、円満な生活を祈願するのです。ちなみに、「屋敷の御願」を取り仕切るのは女性。神に祈願を捧げるのは女性の役割と考えられてきたためだそうです。

屋敷の御願

「屋敷の御願」の内容ですが、東西南北の四隅、台所・お風呂・トイレなどの水回り・玄関・門の内外を写真のようなお供えとお線香を持って回ります。
お供えのセットには、塩と酒・ウチャヌク(御茶の子)と言われる三段重ねにした白餅が基本。これは、沖縄独特のもので、下から大中小のお餅を重ねるのですが、これは「天・地・海」を表しているそうです。供え物ひとつひとつにも意味がちゃんとあるんですね。
こうして、屋敷の中の各場所を回り祈りを捧げ、家内安全を願います。

屋敷の神様に感謝し、敬意を示す「屋敷の御願」。
自然や祖先を大切にする沖縄らしい風習のひとつです。