2016年6月沖縄歳時記
『沖縄が祈りに包まれる慰霊の日』
毎年6月23日は、沖縄が祈りに包まれる一日となっています。
沖縄戦は1945年3月末、米軍が沖縄本島の西にある慶良間(けらま)諸島に上陸して始まりました。太平洋戦争に於いて沖縄戦は唯一、一般住民を巻き込んだ地上戦であり、20万余りの尊い命が奪われた凄惨なものでした。しかも犠牲者の半数近くが民間人ということもあり多くの沖縄県民が犠牲になりました。
そして沖縄戦の組織的な戦闘が終わったとされている6月23日を、沖縄県はこの記憶を忘れぬようにと「慰霊の日」と定めるようになりました。
毎年この日は、糸満市摩文仁の平和祈念公園において「沖縄全戦没者追悼式」が行われ、戦没者の御霊を慰めるとともに、正午に黙祷を捧げ世界の恒久平和を願います。県庁や各市町村役場、公立の小・中学校、高校などは「公休日」となっており、平和を願う一日となっています。
1995年に沖縄戦終結を祈念し摩文仁の丘に落成した「平和の礎」は、黒御影石の銘板に国籍や軍人・民間人を区別せず全戦没者24万人余りの名前を刻まれています。慰霊の日には「平和の礎」を訪れ、家族や親戚の名前が刻まれた銘板の前で、二度と悲惨な戦争が起こらないよう祈りを捧げる人も多数います。「慰霊の日」をきっかけに、すべての人々が戦争のない平和な世の中の尊さを、考えてみる一日としてはいかがでしょうか。