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賃貸借契約において、IT重説がスタート!メリットは?

公開日:2018-09-29 00:00:00.0

目次

人工知能(AI)等を筆頭に情報技術(IT)が進歩している昨今、不動産業界においてもIT化の流れが進んでいます。様々なIT化の中でも、2017年10月から賃貸借契約において本格運用が開始されたIT重説は、不動産市場に大きな変化をもたらしつつあります。
そこで今回は、IT重説とはどのようなものなのか、そしてどのようなメリットが期待できるのかをご紹介します。
 

IT重説とは

IT重説とは、ITを活用して実施される重要事項説明のことです。パソコンやスマートフォン、タブレット端末等の情報通信機器を利用したテレビ電話(ビデオ通話)によって、動画と音声による双方向のやり取りで、契約内容や物件そのものについての説明、確認を行います。
 
《IT重説が運用されるようになった経緯》
1971年の宅地建物取引業法(宅建業法)改正以降、不動産取引の際は宅地建物取引士による対面での重説が義務付けられていたことにより、不動産の賃貸借契約をする場合は、取引をする際に必ず宅地建物取引士と会う必要がありました。
契約を交わす前に不動産仲介会社の店舗等へ足を運ぶことになるため、「店舗が遠いため行くのが難しい」「訪問する時間がないができるだけ早く契約を進めたい」等の声があり、非対面で重説が行えるIT重説の運用が検討されるようになりました。
2015年8月から社会実験として一部の宅地建物取引業者によってIT重説が実施されていましたが、2017年10月に宅建業法第35条にIT重説に関する記述が追記され、本格運用がスタートしました。
 
なお、不動産取引の重説が非対面で行われるとはいっても、今回導入されたのは「賃貸借契約における借主への重説」に限られたものです。売買契約でのIT重説運用開始は、2017年10月時点では見送られています。
 
《IT重説ではどのような機器が必要なのか》
前述の通り、IT重説を実施する際には、双方向で動画と音声をやり取りできることが条件となっています。そのため説明を実施する側だけでなく、説明を受ける側もIT環境を整える必要があります。
具体的には、ビデオカメラ機能とマイク機能、イヤホンやスピーカー等の音響機能を備え、テレビ電話システムのアプリケーション等をインストールした情報通信機器、そして接続が安定したインターネット環境が必要です。
 

IT重説のメリット

《時間コスト・費用コストの軽減》
社会人の転勤や大学生の下宿先として遠隔地の賃貸物件を探す場合、数回に分けて現地に足を運ぶことになると移動に掛かる時間や交通費の費用を負担は大きいものです。
このような場合にIT重説を利用すれば、重説を受けるためだけに移動する必要がなくなるため、「時間コスト」「費用コスト」の軽減につながります。
 
《日程調整の融通が利く》
生活環境によっては、「不動産会社まで距離があり営業時間に行けない」「家を長時間離れられない」等の理由で不動産会社へ出向くことが難しく、契約の時期が予定より後ろ倒しになってしまうことも起こり得ます。
このような場合でも、自宅等で対応できるIT重説であれば、重説の日程を柔軟に調整しやすくなります。
 
《借主が事前準備できる》
自分自身で賃貸借契約を行うのが初めての場合など不動産取引に不慣れな状態では、専門用語が多く含まれる重説の内容を十分に理解できない可能性があります。
しかし、IT重説の実施にあたっては事前の重要事項説明の書類送付が義務付けられていることもあり、あらかじめ不明点・質問内容をまとめておくことが可能です。借主が事前準備を行えるため、説明内容の理解が深まるでしょう。
 

おわりに

今回は賃貸借契約におけるIT重説と、そのメリットについてご紹介しました。
IT重説を利用することにより、入居を検討している賃借希望者は、店舗を訪問する必要がなくなります。通信環境によっては動画・音声の劣化等は考えられるものの、賃貸借契約がよりスピーディーになることは、貸主にとっても大きなメリットです。
IT重説の実施率は不動産仲介会社によって大きく異なりますが、実施率は増えていくと見込まれます。

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