首都圏の中古マンション価格は6か月連続上昇

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首都圏の中古マンション価格上昇が続いています。不動産調査会社の東京カンテイが3月19日に発表した「2月中古マンション平均価格(70平米換算)」によると、首都圏の価格は前月比0.9%増の2,924万円と6か月連続の上昇となりました。一方、前年同月比で見ると、東京都は5.7%増と上昇基調にあるのに対し、千葉、埼玉、神奈川件の周辺3県は軒並み前年同月比マイナスを示し、東京都とは対照的な値動きをみせています。
都内は8か月連続上昇
これを主要都市別に見ると、東京23区では前月比1.3%増の4,004万円と8か月連続で上昇、08年9月以来の4,000万円超えになりました。前年同月比でも7.7%増で、上昇基調の力強さをみせています。
特に千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、渋谷区の「都心6区」は前月比2.2%増6,335万円と大幅に上昇。連続で8か月の上昇を記録しており、同エリアの中古マンション人気の高さがわかります。
一方、横浜市は前月比0.3%増の2,605万円と、小幅ながら連続上昇を維持してきましたが、さいたま市や千葉市は前月比マイナスとなり、こちらも東京23区と対照的な結果となりました。
都内の価格上昇はリノベーション活発化も追い風
東京23区の中古マンションの底堅い価格上昇は、個人や外国人投資家の購入意欲に加え、マンション開発会社によるリノベーション(老朽マンション再生)事業推進も背景にあるといわれています。
最近のマンション購入者、特に20~30代の若年層は「利便性を重視し、都心部の中古マンションを探す傾向が強い。新築マンションの供給戸数が減っているのも一因」(不動産仲介業関係者)といわれています。利便性と手頃価格が両立する中古マンションならではの特性が人気を高めて相場も活況になっているようです。
また「一部の高級物件は、投資目的の外国人の間で人気が高い」(前出の関係者)といわれています。円安で日本の不動産価格はドルベースでの割安感が強く、しかも、日本はカントリーリスクが少ないので、彼らにとっては格好の投資対象になっているようです。実際、外国人居住者が多い麻布、六本木、広尾などの優良中古マンションは「人気がある」(前出の関係者)といいます。
さらに、リノベーションマンションも都心部の中古マンション価格押し上げ要因になっているようです。不動産業界では昨年から、リノベーション物件は取り合い状態とさえいわれています。そして、物件性能は新築並みで価格は中古並みが人気になっているようです。このため、最近はリノベーションマンション分譲事業に新規参入するマンション開発会社も相次いでいます。
若年層を中心とした中古マンション購入志向、外国人の投資意欲、リノベーション事業活発化などを背景に、都心部の中古マンション価格上昇は今後も続きそうな気配です。