首都圏中古マンションの成約件数、5四半期ぶりに前年同期比増
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東日本不動産流通機構がこのほど発表した2015年4~6月期サマリーレポートによると、同期間の首都圏マンションの成約件数が5四半期ぶりに前年同期を上回りました。成約物件価格は11四半期連続の上昇。
また、東京カンテイも首都圏中古マンションの70平米換算価格が10カ月連続の上昇となり、2011年以来の3000万円台に戻ったとの調査結果を発表しています。首都圏中古マンション市場は活性化が続いているようです。
すべてのエリアで成約件数も成約平米単価も上向き傾向
まず東日本不動産流通機構のサマリーレポートによると、2015年4~6月期における首都圏の中古マンション成約件数は8930件。前年同期比8.4%増となり、2014年1~3月期以来5四半期ぶりに前年同期を上回りました。成約平米単価も45.1万円で前年同期比7.1%増、成約物件価格も2878万円で同6.7%増。これで成約物件価格は2012年10~12月期から11四半期連続の前年同期比増となりました。
これらをエリア別に見ると、成約件数は東京区部が3517件で前年同期比9.9%増、東京多摩地区は893件で同8.0%増、埼玉県は1088件で同8.4%増、千葉県は1118件で同0.9%増、神奈川県は2314件で同10.4%増となるなど、すべてのエリアが前年比増加に転じました。
成約平米単価は、東京区部は67.3万円で前年同期比9.0%増、東京多摩地区は36.9万円で同0.1%増、埼玉県は26.1万円で同6.5%増、千葉県は24.9万円で同4.2%増、神奈川県は39.1万円で同5.5%増となるなど、こちらもすべてのエリアが前年比増加となりました。
その結果、東京区部は2013 年1~3月期から10四半期連続、神奈川県の横浜・川崎地区は2013 年4~6月期から9四半期連続、東京多摩地区と神奈川県他地区は2013年10~12月期から7四半期連続、埼玉県と千葉県は2014 年7~9月期から4四半期連続でそれぞれ前年同期の単価を上回るなど、すべてのエリアで前年比増となりました。
東京区部とその他エリアで価格二極化の傾向も
次に東京カンテイが発表した「2015年6月の首都圏中古マンション70平米換算価格」によると、首都圏全体の平均価格は前月比0.4%増の3011万円で、10カ月連続の上昇となり、2011年以来の3000万円台回復となりました。
エリア別では、東京都が前月比1.4%増の4176万円となり、前年同月と比べると価格が10.4%の上昇となっています。しかし、神奈川県(前月比0.4%減の2513万円)と埼玉県(前月比0.2%減の1887万円)は価格が弱含み、4月に1800万円台を割り込んだ千葉県は(前月比0.1%増の1789万円)価格の持ち直しが鈍るなど、エリアで価格動向のばらつきが見られます。
これを主要都市別に見ると、東京区部は前月比1.7%増の4684万円で12カ月連続の上昇となり、前年同月と比べると価格が12.5%もの上昇を見せています。ところが横浜市は前月比横這いの2672万円、さいたま市(前月比0.2%減の2143万円)と千葉市(前月比2.1%減の1645万円)は下落と、東京区部と対照的な動きを示しています。
このように首都圏中古マンション市場は活性化が続いていますが、2015年6月に限った価格トレンドとしては東京区部とその他エリアとの二極化が鮮明になったと言えそうです。今後も東京区部とその他エリアの動向については、より二極化が進むのか、または東京区部の頭打ちまたはその他エリアの上昇転換があるのかなど引き続き注視していく必要があるでしょう。