どうやって決まる? 新築マンションの価格
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国土交通省の調査によると、2012年末での全国のマンションストック戸数は約590万戸で、居住人口は約1,450万人でした。これによると、約10人に1人が分譲マンションに住んでいる計算になります。このように多くの人が居住している分譲マンションですが、価格はどのように決まるのか知っていますか? 今回は、新築分譲マンションがどのような費用から価格決定されているのかについて紹介します。
土地価格
新築マンションの価格を決める大きな費用は、土地の仕入れ代です。土地はより利便性が高く、規模の大きなものに需要があり、そのような土地ほど、価格も高くなります。また、大都市の中心部では、広い土地が売りに出されることが少ないため、売りに出されるとディベロッパー同士の競争によって購入額が吊り上がることもあります。
設計・建設費
土地の価格と同様に、大きな比重を占めるのが建設費です。マンションの設計・建設には多くの会社が携わります。設計会社や建設系の土木・基礎、建築、設備、内外装工事業者など多岐に渡り、これらの業者が協力しながら建設していきます。最近では、2011年の東日本大震災によって東北地方の復興工事が急ピッチで進められていることで、土木・建築労働者が全国で不足しています。また、柱・梁・基礎杭などに使われるH型鋼などの建設資材も値上がりしており、マンションの建築費は高騰を招いています。また、建設費のほかに、マンション建設の際の様々な法律に基づく申請、許可手続きなどの諸経費もあります。
モデルルーム開設費や広告宣伝費、マンション業者の経営に係わる経費など
新築マンションは、建設すれば売れるというものではありません。工事を始めると同時にモデルルームを作り、新聞の折り込みチラシやCM、広告などで、広くアピールする必要があるのです。また、ディベロッパーの従業員の人件費、その他諸経費なども掛かるので、これらの費用が上乗せされます。
販売価格との関係
新築マンションの価格は、このように様々な形で支払われた諸経費に加え、ディベロッパーの利益が換算され決定されます。その際に考慮されるのが、主な購入者とされる、若い夫婦や子育て世帯が購入を検討できるような価格であるかどうか。利益を考えながらターゲット層が購入できる総額を検討し、その地域の相場から大きく離れすぎないように検討しながら価格を決定するのです。
新規マンション価格は、このようにして決まります。土地価格、建設費、景気によって価格も変わります。10年前と現在の価格を比較にして、高くなったり、安くなったりしていることにはこういった変化が影響しているのです。