市況・マーケット
 
買う

行政区別で見た三大都市圏の中古マンション価格動向

公開日:2016-01-27 00:00:00.0

目次


東京カンテイはこのほど、不動産バブル期と比較した2015年現在の中古マンション価格動向を指数化した『三大都市圏 行政区別中古マンション価格&上昇度合いの推移』を発表しました。これは1998-2008年の各年の中古マンション坪単価の最安値と2015年現在の中古マンション坪単価を比較して、行政区別に指数化し、中古マンションの価格動向を分析したものです。
中古マンション市場の活性化で不動産バブルの再燃が懸念される中、現在の中古マンションの価格動向を前回の不動産バブル期の価格動向と実証的に比較することで、昨今懸念されている「バブルの真偽」を明らかにした分析レポートとして注目されています。



首都圏は都心部での中心エリアと周辺エリアの二極化が進行


同レポートによると、2015年現在の首都圏の行政区別中古マンション価格動向は、東京区部では全域的に上昇傾向を示しています。中でも「前回のバブル超え」状態を示す価格指数(ここでは1998-2008年の中古マンション価格の最安値を100とした指数)140超の行政区が都心6区とその周辺区に広がっています。
特に千代田区(価格指数184)、港区(同185)などの都心3区、2020年開催の東京五輪のメイン会場となる予定の江東区(同169)での価格高騰が突出しています。また、人気が高い住宅地を擁する武蔵野市(同144)、タワーマンションの開発ラッシュにより変貌した川崎市中原区(同159)などでも価格が大幅に上昇しています。

その一方で、東京市部と周辺3県の大半では価格上昇が小幅にとどまっており、周辺3県の13行政区の価格指数は100を割り込んだままです。
これまでは都心部(東京23区)と東京市部・周辺3県との価格の二極化が指摘されてきましたが、同レポートにより都心部でも都心6区エリアとその周辺エリアとの価格差が顕在化し、さらにそれが加速してきている状況も明らかになりました。



近畿圏は「三都」とそれ以外のエリアの価格差拡大が進行


2015年現在の近畿圏の行政区別中古マンション価格動向は、前回のバブル超え状態を示す価格指数140超の行政区が、大阪市、神戸市、京都市の「三都」の中心部に分散しているのが特徴といえます。
大阪市では浪速区(価格指数193)を筆頭に西区(同156)、北区(同169)などで価格が大底から1.5倍以上も高騰しました。富裕層の購入ニーズが高まりつつある京都市では東山区(同209)の価格が2倍超に達したほか、中京区(同178)や下京区(同176)も東京都心6区エリアに匹敵する価格高騰傾向を示しています。
一方、神戸市では中心エリアの中央区(同161)の価格高騰が突出しているものの、それ以外のエリアに価格高騰が波及している様子はみられず、大阪市や京都市と比べると価格は比較的安定しているようです。

近畿圏でも三都とそれ以外のエリアとの価格差拡大が顕在化しており、中でも大阪府堺市中区、同泉大津市など16行政区の価格指数は100を割り込んだままで、それらが対象111行政区のうちの14%を占めています。



価格高騰の行政区が少ない中部圏


2015年現在の中部圏の行政区別中古マンション価格動向は、前回のバブル超え状態を示す価格指数140超の行政区が名古屋千種区(価格指数148)など5行政区にとどまっており、首都圏の18行政区や近畿圏の14行政区と比べると非常に少なく、価格の高騰度合いも小さいのが特徴といえます。

ただ名古屋市の行政区の大半では、自動車関連企業の業績回復、リニア中央新幹線開業に向けたJR名古屋駅周辺の大規模都市再開発などの影響もあり、価格が上昇傾向を示し、中古マンション価格が坪単価100万円の大台を突破するエリアも拡大傾向にあるようです。



かつての不動産バブルとは異なる価格動向


同レポートにもあるように、「中古マンション価格のバブル傾向を示す行政区が存在するものの、全体を見るとその数は限られており、中古マンションの買い時エリアは首都圏でも多く存在する」といえそうです。全国一律で中古マンション価格が上昇しているわけではなく、大きく上昇しているエリアもあれば価格高騰が少ない「穴場」エリアがあるのも事実。「今は不動産バブルだから」と静観するのではなく、丁寧に物件を探していくことでまだまだ購入のチャンスは残されているのではないでしょうか。

編集監修者情報
編集監修者
株式会社大京穴吹不動産
所在地
東京都渋谷区千駄ヶ谷4-19-18 オリックス千駄ヶ谷ビル
設立年月
1988年12月
問い合わせ先
お問い合わせフォームはこちら

売却相場

お所有のマンションが現在どのぐらいで売却できそうか、実際に販売されている物件の販売価格より相場を調べることが出来ます。

販売事例検索

北海道・東北
甲信越・北陸
近畿

本社インフォメーションデスク

0120-988-264

受付時間 10:00AM〜6:30PM
年中無休(年末年始を除く)

キャンペーン・サービス