マンションの価格は景気によって変動することが多いものです。しかし、その中でも景気に左右されにくい要素があります。今回は、「立地」「運営状況」という観点から考えてみます。

立地

「そのマンションがどこにあるか」は、マンションの価格を左右する大きな要素です。しかし、ひとくちに「立地」といっても、「利便性」「環境」「評判」などの要因が絡み合っているため、簡単に比べられません。

マンションの有利な立地は絶対的なものではなく、その地域の住人層や生活環境と密接に関連しています。例えば、駅前商業地の広い面積のマンションで、立地としては申し分ない物件だったとします。しかし、その地域が独身もしくは夫婦二人世帯に人気の地域だった場合、値段も高くやや広すぎる物件は売却しづらい傾向があります。反対に郊外の子育て世代を対象としたマンションの場合、スーパーや小中学校が遠いと、敬遠される可能性があります。このように、立地はその地域におけるマンション購入者層によって評価が変わります。

売却に有利な立地を検討する場合は、地域に詳しい不動産業者などに、実際の購入層をヒアリングすることや、将来どのような地域になるかを確認したり予想したりすることが効果的です。売却を踏まえて検討する場合は、そのマンションに想定される購入者のタイプと、その地域の住人層や地域環境が合うか、将来どのような地域になる可能性があるかを意識しましょう。

維持管理や管理組合の運営状況

新築マンションと比べると、中古マンションは維持管理状態の差が評価にも影響するため、しっかりと管理されていることはとても重要です。売却を想定したマンション購入の際には、維持管理と管理組合の運営状況はしっかりと確認しておきたいものです。

維持管理費はマンションによっても金額が異なります。継続的にかかる維持管理費は安い方が望ましいのですが、安ければいいというわけではありません。行き届いた清掃、きれいに維持された建物や敷地、エレベーターなどの定期的な保守点検のためには、それなりの管理費が必要になるからです。また、維持という面では、外壁や屋上の修繕や設備の取り替えなど、大規模修繕に備えて積み立てる費用として、修繕積立金もあります。この積立金も将来必要となる修繕がきちんと対応されるためには、適正な金額が積み立てられる必要があります。

維持管理の状態は管理組合の運営状況によっても左右されます。管理組合の運営が良好な分譲マンションは、マンションの住人がルールに従って協力し合って生活していることの表れでもあります。管理組合の運営状況が良いことは、マンション売却の際の重視されるポイントになります。

このように考えてみると、マンション売却を考えるときのポイントは、中古マンション検討時のポイントと共通する点があるように思えますね。将来的な売却を考えて購入する場合は、その地域やマンションコミュニティーの将来を予想することが大切ではないでしょうか。