渋谷区・港区・千代田区エリアの最新マンション市場動向と売却のタイミング

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2020年、年明けは新型コロナにより日本はもとより世界経済が大きな影響を受けました。
依然予断を許さない状況が続いています。
また2012年12月から続いた史上最長政権が終止符を打ち、新政権が、新たなスタートを切りました。
前政権下では所得格差・地位格差が拡大し資産を持つ人持たない人の差が問題として残りました。(国税庁平成30年分民間給与実態調査)
このような状況の中で、今後の都心エリアの不動産市場はどのような方向に向かうのでしょうか。
前政権下で恩恵を受けた地価・株価
前政権下で恩恵を受けた対象は株式市場と都心における地価・不動産ではないでしょうか。
特に都心エリアにおいては官民一体となり都市再生緊急整備地域・国際戦略特区、アジアヘッドクォーター、MICE、などの再開発などの促進、さらに日銀の大幅な金融緩和政策の延長線上にある円安誘導により海外の投資意欲が大きく増しました。
今後は調整局面となる可能性も
2019年の新築マンション平均価格を見てみると、(下表参照)
価格が大きく上昇していた2018年と比べて港区や千代田区では平均価格の下落が見られました。
これは1DKなど専有面積の小さいコンパクトマンションが多く発売された事や、同じ区でもやや中心から遠い立地の発売が多かった事なども要因ですが、㎡単価も下落しており上昇しきった地価や不動産価格の上昇率が頭打ちになってきている可能性もあります。
しかし渋谷区などでは新築マンション価格は平均で1億4,950万円、㎡単価は205.9万円と非常に高額になっています。渋谷区では大規模な再開発の進行によりITを中心とする大企業が多く移転してきている事も不動産価格上昇の要因となっています。
ただ今後はIT企業を中心としてテレワーク化の動きもあり、渋谷における不動産市場の動きには注視が必要かと思われます。
資産価値の上昇したマンションを一旦売却するのも一つの選択肢
直近のデータを見てみると、都区部における新築ファミリーマンションの契約率に減少傾向が見られます。好調の目安と言われるのは70%ですが、2020年5月74.5%、6月67.3%、7月61.6%、8月63.8%となっています。(不動産経済研究所調べ)
新築ファミリーマンションの契約率は、以降発売予定の価格設定における一つの「先行指標」といえますので、先々、その低契約率により価格が弱含みとなった場合、当然のことながら、その影響は中古マンション市場にも及ぶ可能性も高くなっています。
多くの新駅や再開発の完成が2021年の五輪開催予定年を一つのピークとして計画されており、このピークに達した時が一つの不動産価格のピークと重なる可能性もあります。
このような状況の中で、購入時よりも資産価値の大きく上昇した、渋谷区、港区や千代田区など国内外から注目されるエリアの不動産・マンションは売却して「利益確定」をするのも一つの選択肢と言えるかもしれません。
新政権・コロナでマンション市場はどのような影響を受けるのか?
2020年9月16日に新政権が発足しました。基本的には前政権の金融緩和政策を継承しますので、低金利の住宅ローンも継続され、売買において有利に働きます。
つまり低金利により住宅購入可能層は広がり、当然、中古市場におけるマンションの需要も多い状況が続きます。
また新型コロナの影響によりニューノーマルとしてテレワークが浸透する世の中の流れとなってきています。
東京都の人口は転入が転出を上回る「転入超過」が続いてきましたが、2020年に入り逆転し転出超過となるケースが出てきました。
2020年5月、7月、8月が転出超過となり、さらに直近の9月も転出超過となっています。(2020年9月総務省人口移動報告)
こうした人口動態も東京都区内のマンション価格に影響を与える可能性を帯びています。
※1:竣工してから 1 年未満かつ未入居物件(単身向け~ファミリー向けなどすべてを含む)
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- 編集監修者
- 住宅コンサルタント/株式会社オフィス野中 代表取締役/宅地建物取引士 野中 清志