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2015年の住宅リフォーム市場規模は約6.6兆円

公開日:2015-09-30 00:00:00.0

目次

総合市場調査会社の矢野経済研究所がこのほど発表した「住宅リフォーム市場に関する調査結果2015 」によると、2015年の住宅リフォーム市場規模は前年比ほぼ横ばいでしたが、5年後の2020年には2014年比約9%増に拡大すると予測しています。市場拡大の背景には消費者需要の変化もあるようです。



住宅リフォーム市場の概況


同調査によると、2014 年の住宅リフォーム市場規模は6 兆6,990 億円で、前年比3.6%の小幅減でした。


住宅リフォーム市場を「10平米超の増改築工事」「10平米未満の増改築工事」「設備修繕・維持関連」「家具・インテリア等」に分類すると、「10平米超の増改築工事」と「10平米未満の増改築工事」は合わせて前年比11.4%の大幅減 になりましたが、「設備修繕・維持関連」は同3.5%の小幅減にとどまり、「家具・インテリア等」は同7.2%増になりました。住宅リフォームは大規模・長期の増改築より、緊急度の高い修繕・維持関連や生活の快適さに直接関係する家具・インテリア関連の需要の方が強いようです。


2015 年の住宅リフォーム市場規模は前年比0.8%減の6 兆6,460 億円とほぼ横ばいの見込みです。住宅リフォーム市場に密接な関係があるとみられている株価や金利が堅調に推移すると予測されるので、リフォーム需要の大きな変動要因は考えられないとの分析です。


そして、2020年の住宅リフォーム市場規模は2014年比約9%増の7.3兆円と予測しています。


住宅ストックや世帯数の増加などを背景に、こちらも緊急性の高い「設備修繕・維持関連」分野が増加し、その波及効果で住宅リフォーム市場全体も拡大するのではと分析しています。



リフォームしたい場所はキッチン、トイレ、浴室


不動産業界担当の証券アナリストは「近年、若者層の間で新築マンションより安い中古マンションを買ってリフォームするのが『賢い選択』との認識が高まっている。それにつれてリフォームという言葉が『おしゃれな住宅にすること』の代名詞として使われている傾向がうかがえる」と指摘しています。


その背景には、住宅ストック数が全世帯数を上回る中、既存住宅を有効活用したいという意識の広がりが見受けられます。さらに、20~30代層の「宅飲み」(自宅での飲み会)の広がりもリフォーム需要を刺激しているようです。


つまり、どの店に行っても同じようなメニューで、しかも周囲が騒がしくて仲間同士の会話が満足にできない居酒屋などで飲み会をするより、みんなで好きな酒と料理を持ち寄ったり、料理の得意な仲間が自慢の腕をふるったりする宅飲みの方が楽しいという考えです。


そこで自宅に仲間を呼ぶとなると、やはりキッチン、リビング、トイレなどは快適でおしゃれなものにしておきたいとの願望からリフォーム需要が発生しているのではないかと分析されています。さらにその需要がリフォーム関連会社のサービスを向上させ、それがまた需要を高めるという好循環も生み出しているようです。


では具体的にどのようなリフォーム需要が高まっているのでしょうか。


トレンド情報サイトの「オリコンスタイル」がこのほど発表した「住宅リノベーション/リフォームに関する意識実態調査」によると、「リノベーション/リフォームをしたいと思った理由(複数回答)」の1位は「設備や機器を一新したかったから」で47.5%、2位が「古くなったものや見た目を一新するため」の37.0%で、3位以下の理由に大差をつけています。古くなったものや見た目を新しくすることでより快適に暮らしたいとの思いが、リフォームの大きなニーズにつながっているようです。


実際に「リノベーション/リフォームした・したい場所(複数回答)」はどこかをみると、リフォーム経験者の1位は「キッチン」で50.5%、2位は「トイレ」の45%、3位は「浴室」の42.5%になっています。


一方、リフォーム希望者の1位も「キッチン」の42.0%、2位は「浴室」の35.7%、3位は「トイレ」の29.3%になっています。


いずれも快適さや使い勝手のよさが強く求められるリフォーム箇所といえ、矢野経済研究所の市場予測との共通性がみられます。


住宅リフォーム市場は急成長することはないものの、キッチン、トイレ、浴室などの現実的な需要により着実に成長している模様です。

編集監修者情報
編集監修者
株式会社大京穴吹不動産
所在地
東京都渋谷区千駄ヶ谷4-19-18 オリックス千駄ヶ谷ビル
設立年月
1988年12月
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