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新しい基準で築くマンションの資産価値

公開日:2016-02-10 00:00:00.0

これまで「マンションの資産価値は立地で決まる」といわれてきました。しかし、東京23区内でエリア間のマンションの価格差が拡大するなど、いまや立地のみでは資産価値を決められなくなってきています。このため、マンションの資産価値は相対的希少性、効用、有効需要などが新しい基準になりつつあるといわれています。では、どのような点が重要となってきているのでしょうか。確認してみましょう。

立地のみで計れなくなってきたマンションの資産価値
これまでいわれてきた「マンションの資産価値決定要因は立地」の「立地」とは、換言すれば「交通と生活の利便性の高さ」になります。
具体的には「商業施設、レストラン・カフェなどの飲食店、金融機関、医療機関などの生活インフラ施設が集積していて、かつ通勤・通学に便利な場所」となります。
こうした条件を備えた立地は多くが都心エリアになります。ところが、都心エリアでもマンションの資産価値には格差があります。その差は何によって生まれているのでしょうか。
それは「街のブランド力の差」といわれています。街のブランド力には交通と生活の利便性というハードウェア的な要素だけでは計りきれないソフトウェア的な価値もあるからです。
一般的に「ブランド力」の多くは、由緒や伝統を内包しています。つまり一朝一夕では築き得ないソフトウェア的な価値が、ハードウェア的な価値の下支えになっています。街も同じで、その典型が京都、金沢、鎌倉といえるでしょう。
資産価値が高い立地の筆頭に挙げられる東京・山手線内側の街でも、物件価格3億円以上の「超億ション」が立ち並ぶ街は限られています。超億ションが立ち並ぶ一番町、赤坂、白金などの街は、かつて大名屋敷や旗本屋敷があった街で、江戸時代から続く「高級住宅街」の歴史と伝統を秘めています。これによって希少性が生まれています。
では、そうした歴史と伝統がなければ街のブランド力がないのかというと、それもまた違います。
開発によって生まれた「ニュータウン」でもブランド力がある街は少なくありません。例えば田園調布がその典型といえるでしょう。大正時代の鉄道開通に合わせた宅地開発により生まれた街で、誕生当初は何の変哲もない街でした。
しかし、宅地開発の理念に共感した当時の政財界人や文化人が都心から移転して居を構え、コミュニティを形成して閑静な街の景観保持、衛生・治安保持などに努めてきた結果、高級住宅街としての歴史と伝統が形作られ、街にブランド力が生まれ、その街の住宅の資産価値も高まってきたといえます。
それぞれ、然るべき経緯を経てブランド力を確立している街のマンション価格は高額です。そして、そのマンションを購入できる層は限られています。
しかし、それ以外の一般の消費者は資産性が高いマンションを買えないのかといえば、それは早計というものです。
手頃な価格で買えて資産価値が高いといわれるマンションも数多く存在します。そんなマンションの選択基準が「相対的希少性、効用、有効需要」といわれています。

マンションに資産価値をつけるのは自分自身
その基準を1つずつ見ていきましょう。
「希少性」は絶対性に通じます。マンションの立地でいえば、場所が限られた「駅近」になるでしょう。
しかし同じ駅近でも、例えば、東京メトロ日比谷線の広尾駅の駅近とJR中央線吉祥寺駅の駅近とでは希少性の度合いが異なります。
広尾の場合は駅から徒歩10分以内はおろか、10分以上の賃貸マンションでも空室を見つけるのは至難の業です。運よく見つけても入居は順番待ちの状況。そのためか、家賃相場(いずれもHOME’S調査、以下同じ)はコンパクトタイプの1DKでも徒歩10分以内は約14万円、徒歩10分以上でも約11万円。ファミリータイプの2LDKなら徒歩10分以内は約30万円、徒歩10分以上はさらに高くて約36万円。とても一般の消費者が楽に手を伸ばせるような家賃だとはいえません。
それに対して、吉祥寺の場合は賃貸マンションの空室を見つけるのは容易です。家賃相場もコンパクトタイプの1DKなら徒歩10分以内は約10万円、徒歩10分以上は約8万円。ファミリータイプの2LDKなら徒歩10分以内は約18万円、徒歩10分以上は約14万円。駅から徒歩10分以上であれば、少し無理をすれば一般の消費者でも手を伸ばせそうな金額だといえるでしょう。
この家賃相場の違いは、分譲マンションの価格相場でも同様です。「広尾の分譲マンションは富裕層しか買えないが、吉祥寺の分譲マンションなら一般の消費者でも買える」といわれているゆえんです。
広尾のような「希少性のある駅近」は限られていますが、吉祥寺のような「相対的希少性のある駅近」なら東京23区内だけでも武蔵小山、門前仲町、三軒茶屋など、探すにもさほど苦労はしないでしょう。
「効用」は利便性に通じます。マンションでいえば駅近だけでは効用があるとは言えません。商業施設、学校・幼稚園などの教育施設、子供が遊べる公園など、街のインフラ機能が一通り備わってこそ効用が生まれます。
効用はどんな街にでも生まれるわけではありません。効用が高い街の多くは都市再開発エリアなどにみられます。再開発にあたって、効用を生み出す多くの施設を計画的に集積しているからです。
その代表例が東京・豊洲です。かつては造船所と工場しかない街でしたが、再開発によりオフィス、マンション、各種生活インフラ施設が集積し、効用が高まるにしたがって街の人気も高まり、マンションの資産価値は上昇しています。
効用を基準にマンションを選ぶとすれば、その周辺エリアが将来どのような街に変貌するのかを見極めることも大切でしょう。
またマンションの将来的な資産価値を高めるための基準に「有効需要」があります。マンションの資産価値における有効需要は就業需要に通じます。
近年、大都市集中の流れが加速しているのは、少子高齢化の進展で地方都市での就業チャンスが激減する一方、大都市での就業チャンスが増加しているのが一因といわれています。
『東京都の土地2014』(東京都都市整備局)によれば、2014年1月1日現在の東京23区内の事務所床面積は約9173万平米で、前年に比べ約31万平米増加しています。
就業場所の増加が就業需要を高め、東京23区内への人口流入を促しているといえます。
「就業需要が高まれば、そのエリアのマンション需要が高まり、マンションの相対的希少性が高まり、マンションの資産価値が高まる」といった好循環が生まれるためといわれています。
どの街にどんな形の有効需要があるのかを見極めるのが、将来にわたって資産価値を維持するマンション探しのポイントになりそうです。
「買ってよかった」と思える満足度の高いマンションを選ぶためには、この3つの基準に自分自身の価値観をプラスする考え方が重要だといわれています。
物件がよりどりみどりとなっている昨今のマンション市場でも、相対的希少性、効用、有効需要の3拍子が揃った物件がそうそう簡単に見つかるわけではないのが実情です。
「値段は払うもの、価値は自分でつけるもの」ともよくいわれます。相場、評価額など金銭的な価値は市場がつけてくれますが、満足度などの精神的な価値は自分自身でつけるしかありません。
したがって、3つの基準のうちどれか1つの基準にでも合致しているマンションなら、それに価値をつけるのは自分自身だといえます。
たとえ一般的な市場評価が低くても、住むと安らぎを覚えるなど、そのマンションでの暮らしの満足度が高ければ、その人にとってはかけがえのないマンションになるでしょう。そんなマンションこそ本当の資産価値だといえそうです。
 

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