不動産はやっぱり「今が買い時」??

目次
不動産の買い時を検討する際に、不動産価格の推移は気になる要素の一つです。「不動産価格が上昇する前に購入したい」と考えるのは、ごく自然なことです。では、現在の市況はどうなっているのでしょうか。「東京五輪開催」と「建設業界の状況」という二つの点を切り口に、今後の不動産価格の推移について考えてみたいと思います。
東京五輪開催によって、価格上昇は加速
2020年に開催される東京五輪によって、交通インフラや公共・医療施設などの整備が進み、都心部での不動産価格の上昇は加速するだろう。生活利便性の高い街に生まれ変わることで、相対的に不動産の価値も上昇するというわけですね。首都圏における賃貸物件の賃料推移も高い水準を維持しており(東京カンテイ・主要都市別/分譲マンション賃料月別推移)、「賃料を払い続けるなら、これを機に住宅を購入しよう」と考える人も増加することが予測されます。また、選手村の跡地などの施設は東京五輪開催後に有効活用される可能性が高く、不動産価格は大きく下落しないのではないか、という見方もあります。
建設業界での人手不足が深刻に
東日本大震災後の復興需要に加え、東京五輪開催に向けて、建設業界では非常に大きな需要が生まれています。さらに、2014年3月28日、第2次安倍内閣が成長戦略の柱の一つに掲げる国家戦略特別区域として、東京圏、関西圏、沖縄県、新潟市、兵庫県養父市、福岡市の6地域を指定しました。この6地域では、大胆な規制緩和によって人や資金の投入が相次ぐとの期待があります。
これに伴い、建設技能者の不足が大きな社会問題になりつつあります。建設業における有効求人倍率は、2014年1月の時点で3.01倍。つまり、需要に対して3倍以上の人材不足が起きているのです。これに対し、政府は外国人労働者の活用などを推進しようとしていますが、建設技能者の育成には3年?10年の期間を要することから、この人材難をすぐに解消することは難しいといえるでしょう。この余波を受け、住宅建設についても人材の確保が困難になっており、円安による輸入建材の値上がり、原油価格の上昇なども相まって、不動産価格は上昇すると考えられます。
不動産価格の推移予想から考えると、今後も長期的な価格の上昇が予測されますが、不動産の買い時は、ライフステージや資金計画など複数の判断基準があり、総合的に判断することが重要です。