価格の上昇が続いた中古マンションの今後の動向を考える

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消費税増税の決定以後、堅調な上昇を続けた全国の中古マンション価格ですが、消費税が増税された今、「その反動がどのような数字となって表れるのか」と動向を気にされている方も多いと思います。(株)東京カンテイによる2014年4月度の中古マンション価格天気図※1 と東日本不動産流通機構による2014年4月度の月例速報から、中古マンションの動向を見てみましょう。
※1:ファミリータイプ。30㎡未満の住戸、事務所、店舗は除外。
価格上昇地域は32都道府県
中古マンション天気図によると、価格が上昇傾向にあることを表す「晴」の地域が18、やや上昇傾向を示す「薄日」が14地域。「晴」は、2008年1月の調査開始以降過去最高だった3月の23地域から減少していますが、「薄日」が9地域からの増加となっています。上昇地域の数としては32と同数なことから、上昇傾向は維持されながらも、ややその伸びが落ち着いてきたことがわかります。
下落傾向は1県だけに
価格が下落傾向にある「雨」は3月の4地域から、鳥取県の1地域までに減少しました。価格がやや下落傾向にある「小雨」は5から6地域に増えていますが、「雨」から昇格して「小雨」の地域もあります。下落傾向にある地域は7と減少しています。
天気模様の移り変わりからみると、天気が悪化した地域数は10と増加しており、全国的には上昇傾向にやや陰りが出てきているといえます。
首都圏における中古マンションの価格は?
では、首都圏における中古マンションの動向はどのようになっているのでしょうか? 東日本不動産流通機構による月例速報では、首都圏における中古マンション成約㎡単価は、前年比プラス7.7%と上昇傾向にあります。また、新規登録㎡単価も前年比プラス3.7%と上昇が続いています。成約件数は過去12ヶ月中、10ヶ月で前年を上回っています。一方、新規登録件数は17ヶ月連続で減少。また在庫件数も15か月連続の減少となっています。このように、成約件数の前年比増の推移と新規登録件数・在庫件数の減少傾向から、需要と供給がひっぱくしている状況が推測されます。この事が新規登録㎡単価と成約㎡単価の上昇を押し上げており、中古マンション市場の強気の姿勢が伺えます。
この2つのレポートから、消費税の増税後、中古マンション価格の上昇傾向が落ち着きつつあるも、首都圏などの需要の多い地域ではもう少し上昇傾向は続くことが予想されます。しかし、2015年10月の消費税増税を控え、消費税が8%へ増税された影響や景気の動向に左右されることを考えると、これからの変動を注意深く観察していく必要があります。