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日本の不動産取引額が激増しているのはなぜ?

公開日:2014-07-03 00:00:00.0

目次

日本の不動産取引額が急上昇しています。2013年度の取引額が前年度に比べ、なんと72%増の4兆1080億円となり、伸び率は過去10年で最大(1)でした。さらに、東京についてみると、2014年第1四半期における世界の商業用不動産投資額では、東京は世界1位(2)で、その投資額は101億ドルと、2位のニューヨーク(69億ドル)、3位のロンドン(63億ドル)を大きく引き離しています。東京の不動産価格は1990年代のバブル崩壊から20年間、ほぼ一貫して下落し続けてきました。2013年にようやく上昇に転じ(3)、久しぶりの盛り上がりを見せています。


これらの不動産取引活況の理由は何でしょうか。そこには4つのポイントがあります。



1.アベノミクスによる外資系ファンドの物件取得加速化


景気回復によって賃料の改善期待が高まり、外資系ファンドの物件取得が加速しています。2014年3月には仏保険大手による「中野セントラルパーク(東棟)」取得や、同月の香港不動産大手による「ハイアットリージェンシー大阪」買収など、海外勢の動きが活発です。アベノミクスで日本の成長期待が高まり、海外勢も投資を決断しやすくなったことが背景にあります。



2.日銀の金融緩和政策による不動産投資信託(REIT)市場の活況


日本銀行の金融緩和からREIT市場が活況で、新規上場や増資による資金調達がしやすくなっています。投資家が低金利で資金を調達し、投資利回りを確保しやすい環境になった点が大きいでしょう。日銀による積極的な金融緩和は日本経済に対する楽観的見方を強め、不動産市場にも追い風となっています。



3.企業や金融機関の大型取引の活発化


活発な不動産取引は地価の押し上げ要因となります。事業を営む企業にとって、賃料の上昇は避けたいところです。このまま上昇し続けることを見越して、不動産の自社保有に切り替えるところも出てきました。入居するオフィスビルを買い取ることで、上がり続ける賃料のリスクを排除するのです。実際に、大手銀行や百貨店による大型事例も出てきました。増税後の減収を見据えながら、賃料圧縮に向け不動産を自社保有に切り替えるのです。



4.東京五輪などによる東京の不動産取引額の上昇


東京の不動産取引額の上昇が、日本全体の取引額上昇の後押しとなっていることは間違いありません。2013年には夏季五輪の招致に成功したことにより、東京への関心が国内外で急速に高まっています。五輪会場となる湾岸エリアにも再び注目が集まり始めました。今後は東京都心以外の優良物件にも目が向けられることも想定されます。事実、国土交通省が5月に発表した調査(4)によると、三大都市圏を中心とする全国の主要150地区の地価(2014年4月1日時点)は、約8割の119地区で3カ月前と比べ上昇しています。


ここまでに紹介したようなポイントが背景となり、不動産取引額の急上昇という状況となりました。都市圏における地価の上昇傾向が日本全国に波及するのか、それとも都市圏周辺でとどまるのか―。今後の動きに注目です。


______________________________________
(1)2014年6月5日付日本経済新聞
(2)ジョーンズラングラサール 2014年第1四半期 投資分析レポート
(3)2014年5月9日付ウォールストリートジャーナル日本版
(4)国土交通省 平成26年第1四半期(H26.1.1~H26.4.1)主要都市の高度利用地地価動向報告

編集監修者情報
編集監修者
株式会社大京穴吹不動産
所在地
東京都渋谷区千駄ヶ谷4-19-18 オリックス千駄ヶ谷ビル
設立年月
1988年12月
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