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建築工事現場にひっそりと生息する「いきもの」たち
公開日:2017-06-04 00:00:00.0

住宅建築の工事現場では、さまざまな業界用語・専門用語が飛び交います。その中でもおもしろいのが、「いきもの」にまつわる専門用語です。
ここでは、建築工事現場の専門用語に生息する生き物たちを紹介しましょう。
建築現場専門用語 「哺乳類」編
・うま
作業台のことです。たいていの場合は脚が4本あり、その形状から「馬」と呼ばれ始めたのでしょう。建築資材を置いておいたり、カンナ掛けや墨付けを行ったりする用途で使われます。
・ねこ
物を運搬するために使われる、手押しの一輪車のことです。砂利やコンクリートなどの建築資材を載せて運ぶ場合もあれば、清掃や草むしりなどで出た廃棄物を運搬するのにも使われます。「猫車」と呼ぶ場合もあります。
・犬走り
垣と溝のあいだや、土手の斜面などに作られた細長い通路のことです。建物の地盤を一段高くしたとき、犬ぐらいしか通れる幅がないという意味で、こう呼ばれるようになったようです。
・虎ロープ
建築現場でよく見かける、黄色と黒の縞模様が描かれたロープのことです。虎ロープは目立ちますので、作業中に引っかかったりすることも少なくなります。また、土地の周囲に巡らせて、立入禁止場所の目印としても使われることがあります。
建築現場専門用語 「鳥類」編
・とび
工事現場の中でも、一般的には高所作業を専門に行う職人のことを指します。正式には鳶職(とびしょく)といいます。
・鴨居
和室で、障子やふすまなどを設置するための横木で、上枠の部分を指します。下枠は「敷居」となります。
建築現場専門用語 「魚類」編
・鮟鱇(あんこう)
雨水を受け流す「軒樋(ノキドイ)」と「縦樋(タテドイ)」の接合部分に設置する集水場所の通称です。鮟鱇を吊した姿に似ているのが由来といわれています。
建築現場専門用語 「昆虫」編
・蟻継ぎ(ありつぎ)
木材の接合方法のひとつです。木材の端の継ぎ目となる部分に、先をあえて広げた突出部を作って接合します。蟻の脚をよく観察してみると、ギザギザになっていて、外側へ向けてわずかに広がる台形に近い形状がいくつか組み合わさっているのがわかります。この形状と似ていることが、「蟻継ぎ」の名前の由来になったとされています。
・とんぼ
左官工事で生コンクリートを打ったあと、地ならしに使う大きなT字型の道具のことです。羽を横へ広げたトンボの形状が名前の由来です。体育の時間や部活動のまえに、でこぼこになった校庭で、トンボを引きずって地ならしをしたことがある方も多いのではないでしょうか。
通常は意味がわかりにくい専門用語ですが、動物に例えた話を聞くと親近感もわきますね。