定期借地権付きマンションとは?

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マンションのチラシなどを見て、「これは買い得!」と思った物件の詳細を見ると、「定期借地権」という言葉を見たことはありませんか? 東京都内でも、広尾や麻布などの好立地にある物件も多く、「この立地で、この価格?」と驚いた経験もあるのではないでしょうか。
定期借地権付マンションは、首都圏など三大都市に集中し、同じ地域にある分譲マンションと比べると価格は約70~80%に低く設定されています。今回は、定期借地権付きマンションについて考えてみましょう。
定期借地権付きマンションって何?
定期借地権とは、定められた契約期間が終了次第、その後の更新がないものをいいます。土地を借りる代わりに地主に地代を支払うシステムで、一定の契約期間が定められていますが、その契約期間は長いものでは100年、多くが50~60年となっています。
国土交通省「平成21年度 定期借地権付き住宅の供給実態調査」によると、平成5年から始まった定期借地権付住宅の供給ですが、当時はバブル崩壊後とはいえ、まだ地価が高かったために注目を浴びました。平成13年をピークに減少傾向となり、平成18年には大きく落ち込みました。その後、平成19~20年にかけて増加しています。増加の背景には、独立行政法人都市再生機構により、賃貸住宅用地が大量に供給されたことと、民間大手ハウスメーカーによってこの制度を活用した物件が多く供給されたことにあります。しかし、平成21年度にはこの都市再生機関による賃貸住宅用地の供給が大幅に減少されたため、供給戸数は2461戸と大きく減少しました。
国土交通省は、定期借地による住宅分譲のメリットとして「住宅取得コストを下げる」「敷地面積が広く、住環境が良好」「述べ床面積が広い」ことなどを挙げています。土地を購入しない分、通常の分譲マンションよりも比較的低コストで手に入れることができること、また土地に係る固定資産税がかからないという面があります。その代わりに、毎月の地代や契約期間後の解体準備のための費用がかかります。また借地権に期限があるため、契約期間終了度は地主に返還されます。つまり、契約期間が50年であれば、50年後には住み替えをする必要があるのです。
契約期間後を想定していれば、選択肢は広がる
定期借地権付きマンションは、所有権付きの分譲マンションよりも安価なのが何よりも魅力です。購入額をおさえながら、都心部など利便性の高いところでの生活を望む人には、一つの選択肢となるでしょう。特に都心部にある大型マンション、ブランドマンションには定期借地権付きマンションが多くあります。また、中古マンションとしての物件も少しずつ出てきました。ライフプランをあらかじめ視野に入れ、検討する価値はあるでしょう。