今さら聞けない? リノベーションとは?

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従来、マンション購入における選択肢は、「新築」か「中古」でした。この二者択一で検討されていた分野に、「リノベーション」が加わったことで、選択肢が増えてきています。
「リノベーション」とは暮らし全体を考えた、家の再生
リノベーション住宅推進協議会によると、「リノベーション」とは「中古住宅に対して、機能・価値の再生のための改修、その家での暮らし全体に対処した、包括的な改修を行うこと」とされています。つまり、設備の交換や内装の修復などにとどまらず、より自分の暮らしに合う家となるように、用途や機能の部分をより向上させ価値を高めることを言います。原状回復から一歩進んだ、「住まいの再生」といった考え方が近いのではないでしょうか。
このため、リノベーションを検討する際、どんな暮らしを求めるか、何を優先するかについて考えることが大切です。暮らしの大切なポイントをどこにするかによって、物件の価値は人それぞれで変化してくるからです。
例えば、料理が好きで、ホームパーティーをしたい方にとっては、キッチンやダイニングが重要なポイントになります。反対に、家ではゆっくりとリラックスしたい方にとっては、お風呂や寝室に力を入れることで、快適な住空間を手に入れることができます。また、自転車に乗ることが暮らしの中心となっている方にとっては、家の中に大切な自転車を置けるかどうかが重要なポイントになるでしょう。大切なことは、予算の中でいかに希望を実現していくかです。自分の求める暮らしと向き合い、取捨選択することで自分たちのためのオンリーワンの住まいが手に入れられるのです。
このような考え方は、注文住宅を建てる際と似ています。言い換えれば、マンションリノベーションとは、注文住宅の柔軟性をマンションに持ち込んだものとも言えます。暮らし全体から考え、取捨選択し、再生していく。これがリノベーションなのです。
リノベーションで変えられること、変えられないこと
「リノベーション」によって住まいはどこまで変えられるのでしょうか?技術的に言えば、間取りは水廻りを含め、ほとんど全て変えられます。当然、キッチンやトイレ、バスなど設備の交換もできます。
<リノベーションで変えられる代表的なもの>
・間取り(水廻り等の配置に一定の制約がある場合も有ります)
・内装仕上材(クロス・フローリング・タイル・石などの素材)
・壁の断熱性能
・窓の断熱性能
※サッシは共用部分のため勝手に変更できませんが、内側にインナーサッシを設置することは可能です
・設備(キッチン・トイレ・バスなどの設備)
それでは反対に、変えられないものとは何でしょう。
<リノベーションで変えられない代表的なもの>
・方角
・窓の位置(採光)
・階高 ※ある階の床面からすぐ上の階の床面までの高さのことです
・構造躯体性能 ※構造躯体とは、法律できめられた構造耐力上主要な部分のことです
・共用部
・マンション全体の維持管理体制
・コミュニティ(隣人)
中古マンションの内見の際、ともすると間取りや設備に目が行きがちですが、「変えられないもの」と「求める暮らし」とが相容れないものでないか、吟味することが大切です。実はこれは、新築マンションを選ぶ際のポイントでもあります。新築マンション購入時では確認できない部分である、維持管理の状況やコミュニティを確認することが出来るということも大きなメリットです。
また、物件によっては、リノベーションできる範囲が制約されていることもあります。つまり、中古マンションの物件によっては希望のリノベーションができない場合もあるので、購入前に物件の構造上の制約や、配管の位置、使用細則をしっかり確認しましょう。