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進化するマンションのセキュリティ

公開日:2016-01-27 00:00:00.0

マンション1~2階の入居者にとって、一番の心配事は空き巣狙いといわれています。しかしその心配も今や杞憂に。マンションのセキュリティ設備は年々進化しており、もはや空き巣を寄せ付けない建物になりつつあります。マンションのセキュリティ設備における最近の動向を確認してみましょう。

ここまで進化したマンションのセキュリティ
マンションの住宅設備に関する各種アンケート調査で、常に上位にランクインしているのがセキュリティ関連設備です。マンションにおいて、セキュリティ関連設備は必須アイテムといえます。
そのセキュリティも年々進化しています。
東京都心部の駅前再開発事業の一部として竣工、2015年に分譲されたあるタワーマンションには「5重のセキュリティ対策、24時間有人監視、緊急地震速報配信サービス」などのセキュリティ設備が導入され、セキュリティ関係者の注目を集めています。
同マンションには5重のセキュリティ対策が施されているほか、警備員とマンション管理員の24時間常駐による防犯・防災体制を実施しています。さらに各住戸にはガス漏れ検知器、非常ボタン、防犯センサーも設置、これらの反応をオンラインで監視する「24時間住戸オンラインセキュリティシステム」も導入しています。
これにより、例えば同マンション訪問者は、
チェック1……敷地内に入ると防犯カメラでチェックされ
チェック2……風除室でカメラ付集合インターホンの映像と音声で訪問先を確認された後、風除室の扉のオートロックが解除
チェック3……エントランスホールに入ると、ここで再びカメラ付集合インターホンの映像と音声で訪問先をチェックされた後、エントランスホールの扉のオートロックが解除
チェック4……訪問者は自動呼出のエレベーターにのみ搭乗が許可され、訪問者が搭乗したエレベーターは目的階にのみ停止
チェック5……住戸玄関のカメラ付インターホンの映像と音声で訪問者を最終チェック
と、訪問者は無害人物か不審者かを5重にチェックされる仕組みです。
一方、郊外型マンションの場合は、「ゲーテッドコミュニティ」の考え方を採用したとされる「ゲーテッドマンション」が全国各地で増えつつあるようです。
ゲーテッドコミュニティとは、敷地の周囲を高い塀で囲い、ゲート(検問所)からのみ出入りできる住宅街のことです。1980年頃から米国の高級住宅街に登場、現在では欧米を中心に約5万カ所に広がっているといわれています。
欧米でゲーテッドコミュニティが急速に普及したのは、
●外部からの不審者の来街を阻止できるため治安が向上。それにより不動産の資産価値が向上する
●街全体を警備することで住宅個々を警備するより警備コストを削減できる
●セキュリティ意識の高さが共通しているので、連帯感の強いコミュニティを形成しやすい
などが要因といわれています。
一方、ゲーテッドマンションとは、マンションの敷地を防犯カメラやセンサーなどを設置した塀やフェンスで囲い、ゲート以外からの敷地内への出入りを制限した大規模マンションのことです。敷地内に複数住居棟、公園、運動場、ホール、食品スーパー・カフェ等の商業施設、保育所、診療所などを配置、日常生活はマンション敷地内だけで支障なく送れるように工夫されています。こちらもセキュリティ意識の高い入居者がこぞって入居しているからか、防犯性が高くコミュニティ形成能力も高いといわれています。
ゲーテッドマンションは「郊外型マンションの進化形」ともいわれ、こちらもセキュリティ関係者の注目を集めているようです。

セキュリティ性能が高いマンションの見分け方
では、既築マンションを購入する場合、セキュリティ性能が高いマンションをどのようにして見分ければ良いのでしょうか。
一般には次の6つがチェックポイントだといわれています。
1 マンションの敷地
敷地が2面以上道路に接しているマンションは、侵入盗にとっては複数の逃走経路があることになり、それだけ空き巣狙いをしやすいマンションということになります。したがってゲーテッドマンションか、それに近いタイプの大規模マンションはセキュリティ性が高いといえます。
また、都心型の場合はエントランスにオートロック、共用部に防犯カメラ・センサ、住戸の玄関扉に補助錠がついた「ワンドアツーロック」などが完備されており、こちらもセキュリティ性能が高いといわれています。
2 コミュニティ形成度
セキュリティの基本は「地域や近隣の目」といわれています。コミュニティの形成度が高いマンションはこの目が行き届いているので、侵入盗は空き巣狙いを諦める傾向にあります。一般に単身者層が多いマンションは入居期間が短く、共働き層が多いマンションは昼間が留守になるため、コミュニティを形成しにくいといわれています。そのマンションの間取りタイプを見ればおおよその入居者層が分かり、また、掲示板の掲示内容を見ればコミュニティ形成度も推察できます。一番確実なのは管理組合にどんな入居者が多いのか、コミュニティ活動は活発なのか低調なのかを聞いてみることでしょう。
3 住戸へのアクセス
住戸へのアクセス方式は「階段室型」と「廊下型」に大別されます。
階段室型は、各階2戸の住戸に1つの階段でアクセスする方式です。階段室型は共用通路が階段に限定されているため利用者も限られ、また侵入盗にとっては逃走経路が1本しかないため、セキュリティ性能が高いといわれています。
廊下型は「片廊下型」(外廊下型)、「中廊下型」、吹き抜けを囲んだ「ツインコリドール型」の3タイプに分かれます。
戸外との遮蔽物が腰の高さぐらいしかない片廊下型は24時間開放状態なので、侵入盗にとっては最も空き巣狙いがしやすいマンションといわれています。片廊下型マンションを購入する場合は、共用廊下と共用階段に防犯カメラが設置されているかどうかの確認が不可欠といえるでしょう。
中廊下型は高層・超高層マンションに多いアクセス方式です。共用廊下がホテルと同じように住棟内にあるので一見セキュリティ性能が高そうです。しかし実際には死角が多く、侵入盗はそこを隠れ場にするといわれています。死角の個所には防犯カメラが設置されているかどうかの確認が重要でしょう。
ツインコリドール型は住棟の真ん中に吹き抜けがあるので見通しが良く、片廊下型や中廊下型と比べるとセキュリティ性能が高いといわれています。
4 エントランス
道路や管理人室からの見通しが良く、オートロックや防犯カメラがついたエントランスを設けているマンションはセキュリティ性能が高いといえるでしょう。
5 エレベーター
エレベーター内は密室性が高く、犯罪発生率が高いといわれています。したがってエレベーターの扉は外から中の様子が分かる窓付きか、エレベーター内に防犯カメラと非常通報装置がついているものかどうかの確認が重要でしょう。
6 住戸の玄関と窓
住戸の玄関扉と共用廊下側の窓は外部からの見通しが良いこと、玄関扉はこじ開けが困難な頑丈な材質が使われていて、補助錠がついたワンドアツーロックのものかどうかの確認が重要といえます。
共用廊下側の窓には窓格子が施されているのが通常ですが、この窓格子は外からは取り外せない構造かどうかの確認も重要です。またベランダ側の窓はガラス破りが困難な防犯ガラスが使われているか、錠付きクレセントや窓の上下に補助クレセントが付いているかの確認も重要といえます。玄関扉と窓は、防犯性能の評価検査をパスした建物部品に付与される「CPマーク」付きのものであれば、セキュリティ性能はなお高いといえるでしょう。
いくらセキュリティ技術が進歩しても、完全な「セキュリティマンション」というものは存在しません。冒頭に紹介した最先端のセキュリティ設備も、それを生かすのは入居者だからです。その意味では入居者のセキュリティ意識こそがマンション最大のセキュリティ性能といえそうです。
 

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