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定年退職後の住宅ローンを楽に返す方法
公開日:2016-06-20 00:00:00.0

晩婚化の影響もあってか、40代になってからマンション購入を検討する人は少なくありません。このような人々にとっての悩みが定年退職後の住宅ローン返済問題です。
「マンションを購入して老後の暮らしを安定させたいが、収入が激減する定年退職後も住宅ローンを返済し続けられるかが不安」というものです。
こうした人々の不安を解消する住宅ローンとして「ダブルフラット」があげられます。
「マンションを購入して老後の暮らしを安定させたいが、収入が激減する定年退職後も住宅ローンを返済し続けられるかが不安」というものです。
こうした人々の不安を解消する住宅ローンとして「ダブルフラット」があげられます。
定年後は年金収入だけでも楽に返済可能な住宅ローンが登場
ダブルフラットとは、住宅金融支援機構が2015年4月1日から取り扱いを開始したミックスローンタイプの新しい住宅ローンです。金利が異なる2つのローン、すなわち「フラット20」と「フラット35」の組合せ利用で、定年退職後などのローン返済負担を軽減できるように設定されているのが特徴と言えます。
フラット20はローン返済期間が20年の固定金利型ローン、フラット35はローン返済期間が35年の固定金利型ローンです。返済期間が短いフラット20の金利はフラット35の金利より低くなっています。
住宅金融支援機構の説明によると、その仕組みは次の通りです。
◆事例
3000万円のローン返済を40歳でスタートし、60歳で定年退職し、75歳でローンを完済する場合
3000万円のローン返済を40歳でスタートし、60歳で定年退職し、75歳でローンを完済する場合
◆試算条件
借入額3000万円、元利均等返済、ボーナス返済なし、フラット20の金利ː1.02%/年、フラット35の金利ː1.25%/年 (金利設定はいずれも2016年4月1日現在)
借入額3000万円、元利均等返済、ボーナス返済なし、フラット20の金利ː1.02%/年、フラット35の金利ː1.25%/年 (金利設定はいずれも2016年4月1日現在)
◆ダブルフラットを利用した場合の返済例
・借入額の内訳
フラット20ː1500万円、フラット35ː1500万円
・返済額
(フラット20ː6万9118円/月×20年)+(フラット35ː4万4112円/月×35年)=返済総額ː3511万5487円
・返済スタートから完済までの返済月額
40歳から60歳までの返済額ː11万3230円、61歳から75歳までの返済額4万4112円
・借入額の内訳
フラット20ː1500万円、フラット35ː1500万円
・返済額
(フラット20ː6万9118円/月×20年)+(フラット35ː4万4112円/月×35年)=返済総額ː3511万5487円
・返済スタートから完済までの返済月額
40歳から60歳までの返済額ː11万3230円、61歳から75歳までの返済額4万4112円
◆フラット35のみを利用した場合の返済額
・借入額の内訳
フラット35ː3000万円
・返済月額と返済総額
月額ː8万8225円、総額ː3705万4707円
・借入額の内訳
フラット35ː3000万円
・返済月額と返済総額
月額ː8万8225円、総額ː3705万4707円
このケースでは、ダブルフラットを利用した場合、40歳から60歳までローン返済はフラット20+フラット35になるので、返済月額がフラット35のみの場合と比べ2万5005円多くなりますが、61歳以降の返済月額はフラット35の分の4万4112円のみになります。
その結果、61歳以降の返済月額負担はそれ以前と比べ約38.9%に激減する計算です。フラット35のみの利用と比べても半分の軽さです。
定年退職を迎えるまで、世間並みの収入がある期間は少しがんばって高負担に耐えることになりますが、定年退職後は年金収入だけでも楽に完済できるとの想定です。加えて、ダブルフラットなら、フラット35のみの場合に比べ返済総額を約194万円圧縮できるメリットもあります。
その結果、61歳以降の返済月額負担はそれ以前と比べ約38.9%に激減する計算です。フラット35のみの利用と比べても半分の軽さです。
定年退職を迎えるまで、世間並みの収入がある期間は少しがんばって高負担に耐えることになりますが、定年退職後は年金収入だけでも楽に完済できるとの想定です。加えて、ダブルフラットなら、フラット35のみの場合に比べ返済総額を約194万円圧縮できるメリットもあります。
従来型ミックスローンの弱点をカバー
住宅金融支援機構がダブルフラットの取扱いを始める前のミックスローンは変動金利型と固定金利型の組合せしかありませんでした。
従来のミックスローンでは、仮に借入額3000万円を変動金利型と全期間固定型の折半とした場合、ローン返済スタート時より景気が好転すると金利が上昇します。金利上昇時において金利変動型分のローン返済額は増加、金利固定型分のローン返済額は変わらずとなるため、変動金利型オンリーと比べるとローン返済負担を軽減できますが、固定金利型と比べると返済負担の増加は否めませんでした。
反対にローン返済スタート時より景気が悪化すると金利が低下します。そのため金利低下時において金利変動型分のローン返済額は減少しますが、固定型分のローン返済額は変わらずとなり、固定金利型分の返済負担は変動金利型分より相対的に重くなり、結果的にこちらも大した返済負担軽減効果が期待できませんでした。
こうした景気変動リスクやメリット減少にさらされやすい従来型ミックスローンの弱点をカバーしたのが、ダブルフラットの特徴と言われます。
時あたかもマイナス金利時代。住宅ローンの金利は極限と言われるまで低下しており、景気変動の影響を受けにくいと言われています。
40代になってからマンション購入を検討している人には、一考の価値がありそうです。
時あたかもマイナス金利時代。住宅ローンの金利は極限と言われるまで低下しており、景気変動の影響を受けにくいと言われています。
40代になってからマンション購入を検討している人には、一考の価値がありそうです。
なお、ダブルフラットには、上記の「フラット20+フラット35」の組合せの他、「フラット35+フラット35」「フラット20+フラット20」などの組合せもあります。組合せによっては定年退職後のローン負担軽減の他、「15年後に高校、大学と子供の学費が必要になるので、その時期にはローン返済負担を減らしたい」など、それぞれのライフプランに合わせた選択が可能なようです。
詳しくは信頼できる不動産会社の担当者に相談すると良いでしょう。
詳しくは信頼できる不動産会社の担当者に相談すると良いでしょう。