二重サッシ その効果は?〜リフォームでの設置が増加〜

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国土交通省住宅局の2013年度住宅市場動向調査報告書によると、窓に二重サッシを取り付ける人が増えています。2013年では、二重サッシを設置する割合は、リフォームをしていない(新築時に二重サッシ)住宅では4.8%ですが、リフォームを経た住宅では13.1%となり、リフォームをきっかけに導入するケースが多くみられます。
二重サッシとは?
二重サッシとは、気密性を高めるためにサッシを二重に取り付けた窓です。ガラスをペアガラスにするなどして、二重サッシの機能を一つのサッシでまかなう複層ガラスもあります。最も期待できる効果は、サッシ間にある空気層が断熱の役割を担い、さらに結露防止にもなることでしょう。省エネ対策として取り付けられています。
海外では二重サッシの取り付けが既に普及
省エネ対策として、アメリカやEU、イギリスなどの先進国では、二重サッシはかなり普及しています。熱の出入りの大半は窓が占めることから、二重サッシの取り付けが進みました。なお、これらの国・地域では、家庭での年間のエネルギー消費量やCO2排出量が制限され、省エネ住宅が義務化されています。例えば、アメリカでは、各州が省エネ基準を策定しています。住宅・非住宅、新築・増改築を対象に順守を求めています。
省エネの他に防音効果もあり
二重サッシは、省エネ以外にも効果があります。防音です。ガラスとガラスの間に空気の層があることで、遮音性能が高まります。ガラスメーカーのデータによると、外から80dB(交通量の多い道路や地下鉄の車内での騒音レベル)の音を発した場合、厚さ5ミリのガラス1枚では室内は50dB、厚さ5ミリのガラスの間に空気層80ミリ挟んだ二重サッシでは40dBでした。10dB低いだけで、人間は音を半分に感じるとされ、ある程度の防音効果は期待できそうです。電車などの外の騒音を軽減させるほか、室内の音漏れを軽減する目的でも二重サッシは活躍するでしょう。
取り付け簡単!バリエーションも豊富
断熱、防音などの効果が見込める二重サッシの取り付け工事ですが、簡単なものでは数時間で終えることも可能で、手軽に行われるリフォームの一つです。最近では色や形のデザインやフレームの材質も豊富で、室内の雰囲気に合わせた二重サッシを選べるようになりました。防音効果で外部からの騒音を軽減しつつ、長期的には省エネ効果でコストも抑えられます。また、省エネ改修工事をした場合に所得税が控除される※などの国のサポートもあるので、さらに普及していくのではないでしょうか。
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※対象となるのは、すべての居室の窓の改修工事、又はその工事と併せて行う床や天井、壁の断熱工事等で、該当する省エネ基準以上となる工事です。床面積や所得金額などに制限があるので、詳細をご確認下さい。
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1219.htm