築古マンションを選ぶ人々【後編】

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築古マンションを選ぶ大きな理由は、新築マンションと比べての"割安感"にあることが分かりました。しかし、古いマンションを選ぶ際には、押さえておきたいポイントがあります。後編では、そのポイントを紹介します。
1981年以降の新耐震基準かどうかを目安に
物件を選ぶ際のポイントは、大地震などの災害について考慮されているかどうかということです。この目安となるのが、耐震基準です。耐震基準は「建築基準法」に定められ、過去に大地震が起きる度にその基準が見直されてきました。現在は1981年改正の新耐震基準を基に、大規模地震(震度6強から震度7程度)に対しても人命に危害を及ぼすような倒壊等がないように建築がされています。築古マンションを購入する際は、1981年以降に設計されたかどうかを目安にするのもいいでしょう。ただ、1981年以前の旧耐震基準のマンション全てが、耐震性能が劣っている訳ではありません。大地震が起きても損傷の可能性が少ない築古マンションもありますので、総合的に判断をしましょう。
管理組合と修繕積立金
分譲マンションには、建物全体の維持管理、定期的な建物の修繕・更新などを行うための「管理組合」という組織があります。管理費や修繕積立金の管理をし、積み立てた資金を利用して計画的に建物を修繕していくのですが、充分に資金がない場合もあります。国土交通省の2013年度マンション総合調査結果報告書によると、築30年以上の物件のうち、25年以上の長期修繕計画に基づいて、修繕積立金を設定している物件の割合は63%です。管理組合の日々の運営状況や大規模修繕工事の実施状況、修繕積立金はきちんと積み立てられているかどうかを確認しましょう。
老朽化による建て替え計画も?
築古マンションですので、老朽化による建て替えの可能性も想定することも大切です。購入の決め手が立地で築古マンションを選んだ場合、建て替えで同じ場所の新築分譲マンションに住める場合もあります。しかし、建て替えの為の管理組合内での打ち合わせはハードルが高い事が多く、簡単には進まないでしょう。
価格、立地、住宅設備の充実さ・・・。マンション購入に当たり、どれを優先するかは人それぞれでしょう。築古マンションは、チェックすべきポイントを押さえれば低価格や好立地は大きな魅力です。物件購入を検討されている人は、築古マンションも含めて考えてみてはいかがでしょうか。