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マンション売却による不動産名義変更(所有権移転登記)で知っておきたい4つのこと
公開日:2017-07-31 00:00:00.0
仕事で携わっている方でもなければ、不動産の名義変更をする機会というのは、人生において何度も発生するものではありません。そのため、いざ名義変更といっても何から取りかかれば良いのか分からない、という方も多いと思います。そこで今回は、マンション売却による名義変更について、押さえておきたい4つのポイントをご紹介します。
不動産における名義変更の意味とは?
不動産における名義変更は、「所有権移転登記」といいます。
この登記制度は国が行っている制度であり、不動産の登記を行うと、法務局に「登記簿謄本」が備え付けられます。そして、不動産の所有者が自分であることを公に示すことができるようになるのです。
法律上、移転登記の義務はありませんが、マンションを売却する際に所有権移転登記を行わないと、物件は第三者に渡っているのに所有権は自身のままとなり、お互いにとって都合の悪い状況になります。物件を購入した第三者にとっては、住宅ローンなどを組むにあたって銀行が登記簿謄本に抵当権を付けるため、所有権が移転していないとローンを組むことができなくなってしまうのです。
不動産名義変更のタイミングと、変更までの期間
《名義変更のタイミング》
不動産の売却は、書類上の契約を行う「売買契約」と、実際の物件の「引渡し」の2つのステップによって行われます。
売買契約は書類上で売買の約束をした段階であり、実際の物件が引き渡されたわけではありません。その後、実際に物件が売り主から買い主に引き渡される段階で、名義変更を行う必要があります。通常は引渡し当日に法務局で手続きを行います。
《変更までの期間》
物件引渡し日に、法務局にて名義変更(所有権移転登記)を申請しても、すぐに所有権の移転登記が完了するわけではありません。登記変更には通常1~2週間程度必要となります。そのため、登記簿謄本に反映されるのも1~2週間程度の時間を要することになります。
不動産名義変更の手続き
名義変更の手続きは、自分で行うことも可能です。ただし、不動産は扱う金額が大きく、書類も慣れない方にとっては煩雑なものなので、専門家に任せると良いでしょう。物件の売買仲介を不動産会社に依頼している場合は、不動産会社が司法書士を手配してくれます。
名義変更手続きにおける司法書士への手数料は、地域によっても異なりますが、平均して5万円程度を想定しておけば良いでしょう。
不動産名義変更に必要な書類と、かかる費用
必ず必要な書類以外に、状況に応じて必要な書類もあります。ここでは一部ご紹介します。
・登記済権利証または登記識別情報通知書(登記名義人を識別する、権利証に代わる書類)
・印鑑証明書(登記申請日前3カ月以内に発行されたもの)と実印
・固定資産税評価証明書(買い主の登録免許税の税額算出に必要。売り主が用意)
・委任状(司法書士が代理で申請する場合に必要)
・本人確認書類(司法書士に依頼する場合、本人確認をするために必要)
・住民票(登記住所と現住所が異なる場合に必要)
・抵当権抹消書類(抵当権を抹消する場合に必要。金融機関が用意)
費用としては、これら必要書類にそれぞれ数千円、上位の司法書士の手数料として約5万円、加えて登録免許税が、固定資産税額の1,000分の4の税率で必要となります。
おわりに
通常、不動産売却時の名義変更手続きは、司法書士が全て行ってくれることがほとんどです。そのため、名義変更について意識する機会は少ないと思いますが、最低限どのようなことをするのかを知っておくと、司法書士とのコミュニケーションがスムーズになります。
不動産売却にあたり名義変更を予定されていらっしゃる方は、ぜひ予備知識として参考にしてください。