新国立競技場建設で話題の風致地区で生活する!

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オリンピックへ向けて建て替えが進む国立競技場。計画されているデザインの斬新さや奇抜さが話題となりました。その理由は、国立競技場が神宮外苑エリアの風致地区にあるということ。風致地区は景観が非常に重視されるため、建物の外観には注目が集まりやすいのです。特に新宿区と港区にまたがる明治神宮外苑は、東京の風致地区第一号で、この界隈は、並木道やスポーツ施設などが落ち着いた中で整備されている貴重な場所になっています。今回は風致地区について紹介します。
おもむきが重要視される風致地区
風致地区とは、その風致を維持し、環境保全を図るために都市計画法に基づいて定められている地区のことです。ちなみに、「風致」とは、「自然の風景などのもつおもむき。味わい。風趣。雅致。」と記されています(『デジタル大辞泉』より)。つまり、良好な自然景観、歴史的価値のある建築物や景観が保たれている地域が風致地区として指定され、保全されているのです。良好な住環境を保持している地域も指定されるため、古くからある高級住宅地なども指定されています。中でも、「明治神宮内外苑付近地区」は初めて風致地区として指定された地区で、大正15年までさかのぼります。
風致地区で制限されていること
風致地区で建物を新築等する場合には、その建物の位置、形態、意匠が、土地および土地の区域の風致に著しく不調和でないことが求められます。また、第1種~4種などに種別され、高さや建ぺい率の制限、建物の外壁の隣地、道路境界線との距離制限などについてそれぞれ定められています。その他、風致地区における新築・増改築などについても、各自治体の条例によって定められています。
風致地区の魅力
この風致地区に実際に住んで生活するとなった場合、もっとも大きな魅力となるのは、やはり自然景観の美しい環境に暮らすことでしょう。
建物の観点でいえば、通常の建ぺい率より厳しい基準で建てることから、隣家との距離が生まれます。つまり、隣家の生活音が聞こえにくく、比較的静かな環境が得られるのです。また、周りに高い建物や奇抜な色彩の建物は建てられないなどの規制があるので、日当たりが大きく侵害されないことや、景観が保たれるなど良好な住環境につながることでしょう。
冒頭で紹介した明治神宮内外苑付近地区のような風致地区に住むとなると、少し敷居が高いイメージもありますが、オリンピックの歴史やドラマが誕生する新国立競技場の近くでその熱気を感じることができるかもしれません。自然景観が美しく、かつ歴史や文化を感じることができること。風致地区を選びたくなる理由は、そんなところにあるのかもしれませんね。