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似ているようで違う?アパート1棟経営とマンション1室経営の違いとは
公開日:2018-04-19 00:00:00.0

目次
個人投資家が不動産投資を行う場合に候補となる投資方法は、アパートの1棟経営と、区分所有マンション1室の経営が主流です。区分マンション経営の方が少額から投資を始められるため敷居は低いとされていますが、投資額以外にも様々な違いがあります。
今回は、アパート1棟経営とマンション1室経営の違いについてご紹介します。
【アパート経営とマンション経営の違い その1】空室リスク
《アパート経営は、空室リスクを分散できる》
特別な理由がない限り、アパートの全部屋が一度に空室になることは考えにくいため、空室リスクの分散が可能です。
《マンション経営は、1戸だと空室リスクが分散できない》
保有しているマンションが1戸のみの場合、たまたま入居者が決まらなければ空室率100%になってしまいます。
もちろん、複数戸のマンションを所有することで空室リスクは分散可能です。
【アパート経営とマンション経営の違い その2】災害リスク
《アパート経営は、災害リスクの分散が難しい》
アパート経営は物理的に1カ所に資産があるため、火災や天災によって、資産をまとめて失う危険性があります。
《マンション経営は、複数地域に投資することで災害リスクを分散できる》
マンション経営を行う地域を分散すれば、災害リスクを分散することもできます。また、鉄筋コンクリートのマンションは、木造や鉄骨のアパートよりも耐震性・耐火性が高い場合が多く、比較的災害に強いというメリットがあります。
【アパート経営とマンション経営の違い その3】管理経営について
《アパート経営は、比較的管理経営の自由度が高い》
アパート経営でもマンション経営でも、小規模な物件修繕の他に大規模修繕を計画的に行う必要がありますが、アパート経営の場合は「いつ」「どの程度のコストをかけて」修繕を行うかは、所有者の判断に委ねられます。
大変なことではありますが、一方で所有者の判断で収益性や物件価値を高める工夫をすることができるというメリットもあります。例えば、自動販売機、宅配ロッカー、防犯カメラの設置などが挙げられます。
《マンション経営において考えるべきことは、専有部分の管理のみ》
マンション経営では、建物の外壁や共用部分のメンテナンスについて、所有者だけで考える必要はありません。修繕積立金や管理費を使って、管理組合が計画的にメンテナンスを行ってくれるため、所有者は専有部分の維持管理のことを考えるだけで済みます。
ただし、専有部分のリフォーム内容や、入居条件の変更には管理規約による制限があるため、アパート経営と比較すると管理経営の自由度は低いと言えるかもしれません。
【アパート経営とマンション経営の違い その4】出口戦略
《アパート経営は、出口戦略が多様》
中古アパートをできるだけ高く売却するためには、収益性を高める経営努力を行い、計画的な修繕を行って物件価値を維持することが重要です。
アパートの耐用年数満了が近い場合には、老朽化した建物を建て替える選択肢と、建物を取り壊してアパート用地や戸建て分譲用地として売却する選択肢があります。築年数が古い場合には、将来どのような土地活用が可能なのか、用途地域や容積率などの法規制と需要を把握して、様々なパターンを想定しておくと良いでしょう。
《マンション経営は、売却のタイミングを見極める》
マンション経営は、多くの場合一定期間保有した後に売却します。中古マンションの価格は新築マンションよりも低くなることが一般的ですが、築年数が経過するごとに一定割合で価格が下落するわけではありません。中古マンション市場は流動性が高く、地価動向や新築マンション市場の影響を大きく受けるためです。
当初の予定保有期間にとらわれずに、中古マンション市場の動向を注視し、売り時を見極める必要があります。日本における不動産投資は運用益(インカムゲイン)が収益の中心ですが、売却益(キャピタルゲイン)も無視できません。表面利回りだけに注目せず、元本価値が値下がりしにくい物件選びを行うことが大切です。
おわりに
アパート経営とマンション経営では、空室リスクや災害リスク、管理経営の自由度、出口戦略などが異なります。これらの違いを知った上で、不動産会社などの専門家に相談しながら、自分に適した投資物件を選ぶと良いでしょう。