リノベーションを前提とした中古マンション。購入時に気をつけたい3つの重要ポイント

目次
「リノベーションでは得られないもの」とは?
新築物件に比べて比較的安く購入できる中古マンション。リノベーションを前提とする場合、現状の外観や内装・設備がどうであろうと、自分の思いのままに改装して新築同然にできるという魅力があります。
ただし、リノベーションは万能ではありません。リノベーションを前提として中古マンションを購入する際は、下記に挙げる3つのポイントがクリアできるかどうかを確認しておくことをお勧めします。
ポイント1.「売主の信頼性」
リノベーション物件選びの最初のポイントは、「売主が信用できる相手かどうか」の見極めです。
・多くの不動産取扱実績を持ち、知名度や社会的評価が高い。
・経営的に安定し、財務内容が健全である。
・マンションに適正な価格を設定し、なぜこの価格が適正なのか根拠を示して説明してくれる。
売主がこういう不動産会社であれば、物件のお引渡しを受けてすぐに売主が倒産した、などのリスクは軽減するので、安心してそのマンションの購入を検討することができます。また、売主がリノベーションに対する経験やスキルが豊富であれば、物件の価値を最大化するためのリノベーションはどのようなものか(部分的な改修でいいのか、スケルトン・リノベーション※1を行うべきか)についてのアドバイスも得られるでしょう。
ポイント2.「適正な検査・点検」
リノベーションは住宅・マンションの外観や設備を見た目として新しくするだけでなく、建物の基本性能にも影響を及ぼす場合があります。
そこで、「誰もが安心してリノベーション住宅を選べるように」という理念に基づき、国内の主要な建築会社や不動産会社、リフォーム業者などにより「リノベーション住宅推進協議会」という一般社団法人が設立されています。
リノベーション住宅推進協議会は「ユーザーが安心して選べるリノベーション住宅」の目安となる統一規格を定め、この品質基準に適合する既存住宅を「適合リノベーション住宅」と呼んでいます。
中古マンションの売主が不動産会社の場合は「リノベーション住宅推進協議会に加入している会社かどうか」を調べておいた方がいいでしょう。そういう会社は販売する中古マンションに対して「リノベーションを行った後、適合リノベーション住宅として合格できるだけの基本性能を有しているか?」「リノベーション以前に、既存設備の修繕が必要な物件ではないか?」といった検査・点検を行っていると思われるからです
もちろん、リノベーションの施工もこの協議会に加入している業者に任せるのが望ましいでしょう。リノベーション後に「適合リノベーション住宅」の認定が得られるような物件であれば、末永く安全性や資産価値が担保できるのではないでしょうか。 ポイント3.「アフターサービス」
ポイント3.「アフターサービス」
マンションの売主が不動産会社の場合、中古マンションであっても一定期間の保証期間を設け、給排水などの重要インフラ部分や主要住宅設備に対してアフターサービスをしてくれる場合があります。
リノベーションによる新設部分はリノベーション業者のアフターサービスでケアし、既存部分に対しては売主のアフターサービスでケアする。そういう条件なら、安心して中古マンションを購入できるのではないでしょうか。
また、売主がリノベーションまで一貫して手がけるような不動産会社であれば、さらに手厚いアフターサービスが期待できるかもしれません。
<まとめ>
このようにリノベーションを前提としたマンション物件の購入に際しては、価格だけではなく売主となる不動産会社の信頼と実績にも配慮が必要となります。物件に対する適正な調査やアフターサービスの充実など、なかなか見えにくい部分にも注意しておいた方がいい場合もありますので、ぜひ上記のポイントを参考にして情報を集めてみてはいかがでしょうか。
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※1 スケルトン・リノベーション・・・建物の筐体部分だけを残して内外装・配管を一新する大がかりなリノベーション。