注目の中古マンション市場 -来たる!中古マンション時代!-

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政府が本腰を入れて中古住宅の流通促進・活用に取り組み始めているのをご存知ですか?
少しずつ中古住宅が注目され、市場も伸びてきていますが日本における中古住宅流通のシェアはまだ低く、欧米諸国と比べるとその差は歴然です。平成21年度国土交通白書によると、住宅流通全体における既存住宅流通シェアが日本では13.5%であるのに対し、フランス66.4%、アメリカ77.6%、イギリスに至っては88.8%と高い水準になっています。日本においても欧米諸国と同じように中古住宅の資産価値が高まれば、住宅市場全体の需要拡大につながると政府も取り組みを進めています。
政府も後押しする中古住宅!
政府は2010年の新成長戦略のなかで、2020年までに中古住宅流通市場やリフォーム市場の規模を倍増させることを閣議決定しました。この中には「消費者が安心して適切なリフォームを行える市場環境の整備を図る」といった項目も盛り込まれており、より安心・安全に中古住宅を購入できる環境が整いつつあります。
「我が国土交通省としては、税金を使わずに最大の効果を上げることができる唯一の政策と言ってもいいのが中古住宅政策であります。」(中古住宅の流通促進・活用に関する研究会(第3回) 平成25年6月21日 議事録より)
当時の鶴保国土交通副大臣は、このように語りました。
この研究会の資料によると、住宅の流通量126.4万戸(平成20年)のうち、「中古住宅流通の現状と目標」として、既存住宅の流通シェアを13.5%(平成20年)から25%(平成32年)に引き上げるとしています。
なぜ中古住宅に注目が集まるのか?
「リノベーション」というスタイルが浸透し、中古住宅を選択する人が増えています。実際に中古住宅を購入する決め手となったものは何なのでしょうか。国土交通省のデータを見てみましょう。
既存(中古)住宅に決めた理由ランキング
[1]価格が適切だったから 74.2%
[2]住宅の立地環境が良かったから 47.6%
[3]一戸建てだから 27.7%
[4]住宅のデザイン・広さ・設備などが良かったから 27.7%
[5]マンションだから 25.2%
[6]昔から住んでいる地域だったから 22.2%
[7]親・子供などと同居又は近くに住んでいる 18.7%
[8]信頼できる住宅メーカーだったから 10.2%
[9]適切な維持管理が見込めるから 4.0%
[10]その他 2.3%
[11]無回答 0.6%
※国土交通省 平成24年度 住宅市場動向調査報告書 のデータを元に作成
やはり、理由のトップは「価格が適切だったから」。不動産は非常に大きな買い物なので、価格は大きな決定要素になります。コストパフォーマンスの高さは中古住宅のメリットの最たるもので、「住みやすい家を賢く買えた」という購入者の声にもうなずけます。また、「価格」は購入物件の広さにも大きく影響します。同じ価格であればより広い物件がいい、というニーズに応えることができるのも、中古住宅の大きなメリットです。
次の理由が、「住宅の立地環境が良かったから」。例えば新築マンションの場合、マンションを建てるための土地が無ければ、新規分譲が発生しません。そのため新築マンションで立地環境の良い物件は限られてしまいます。一方、中古マンションの場合、駅周辺など好立地な物件が多くあります。同エリア内で探すと、新築マンションよりも圧倒的に物件数が多く、駅から○分以内、小学校などの学区、親や子どもの近くに住みたいなど譲れない条件がある場合は、中古マンションの方が希望を叶えやすいでしょう。
平成25年度住宅リフォーム実例調査によると、30代以下の若年層のマンション購入では中古マンション購入が約7割となっており、新築マンション購入を大きく上回っています。若年層を中心に、中古住宅への意識が変わりつつあります。中古住宅購入における環境が整えば、さらに中古住宅への需要は広がるでしょう。中古住宅という選択肢を増やすことで、理想に合う物件を選びやすい時代になってきているのです。