住宅ローン返済中にマンションリフォームをするには?

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マンションのリフォームをしたいと思っても、今は「住宅ローン返済中だから」とリフォームを諦めている人はいないでしょうか。「返済中だから」と諦めるのは早計です。実は住宅ローン返済中でも、それとは別にリフォームのために組める「リフォームローン」があります。
リフォームローンとは
リフォームローンとは、住宅リフォームに特化したローンのこと。さまざまな金融機関が取り扱っていますが、それらは公的融資と民間融資に大別できます。
公的融資には住宅金融支援機構の「耐震改修融資」や「バリアフリー改修融資」、勤労者退職金共済機構の「財形持家転貸融資」、全国各自治体の「住宅リフォーム資金融資」や「リフォーム補助制度」などがあります。
民間融資に比べ低金利で、しかも長期間借りられるのがメリットですが、自宅の土地・建物への抵当権設定、リフォーム内容などに一定の条件があるなどの制約があります。
一方、民間融資は都市銀行、地方銀行、信託銀行、信用金庫などの民間金融機関が取り扱っているリフォームローンです。
公的融資に比べ融資条件が緩く、リフォーム工事の自由度が高いのがメリットと言えます。自宅の土地・建物を担保にする「有担保型」と、担保の要らない「無担保型」があります。「有担保型」は低金利が特徴で、住宅ローンと同等金利の融資も見られます。大規模なリフォーム工事向きと言えます。
「無担保型」は金利が住宅ローンより高めで、金利タイプは変動型が多いようです。小規模なリフォーム工事向きと言えます。
リフォームローンのメリットとデメリット
住宅ローンと比べ、リフォームローンは次のようなメリットがあると言われています。
●無担保で組めるローンもある
住宅ローンは借入時に担保を求められる場合がありますが、リフォームローンは無担保で組めるローン(民間融資の無担保型)もあります。無担保型だと抵当権の設定など面倒な手続きも不要となり、その分ローン借入れの手間が省けます。
●融資審査が早い
住宅ローンは審査基準が厳しいので、融資審査にかなりの期間を要する場合があります。しかしリフォームローンの場合は、すでに住宅を持っている人(それなりの資産を持っている人)が対象なので、住宅ローンより審査基準が比較的緩やかで、融資審査も早い傾向が見られます。
●フリーローンより金利が低い
キャッシングローンなどのフリーローンは高金利で、実質年率が10%を超える融資も珍しくありません。しかし、リフォームローンは公的融資も民間融資も金利が低く、住宅ローン返済中でもその返済負担はそれほど重くないようです。
●返済期間が長い
フリーローンの場合は返済期間が最長でも5年程度と短く、ここからリフォーム資金を借り入れてしまうと返済負担が一挙に増します。しかしリフォームローンの返済期間は最低でも10年、最長では35年と長いので、手持ち資金に応じた無理のない範囲での返済が可能となります。
一方、リフォームローンには有担保型、無担保型のそれぞれに次のようなデメリットもあります。
有担保型の場合は無担保型より低金利なのが魅力と言えます。その半面、抵当権設定の煩わしさや、保証料などの諸費用負担が発生します。
無担保型の場合は抵当権設定、諸費用負担などが不要で、これが魅力と言えます。その半面、有担保型に比べて融資限度額が低い上、返済期間も短く設定されています。
住宅ローン返済中にリフォームローンを組む手順とポイント
住宅ローン返済中にリフォームローンを組む場合は、次の手順でそれぞれのポイントを押さえるのがコツです。
●返済中の住宅ローンの中身をチェック
まずは、返済中の住宅ローンの中身をチェックしましょう。どの金融機関からいくら借り、現在のローン残高がいくらなのか、現在組んでいる住宅ローンがリフォームにも対応しているのか、対応していたら借入限度額はいくらなのかなどをチェックします。
●住宅ローンの借換えを検討してみる
次に、住宅ローンを組んでいる金融機関に、リフォーム資金の融資が可能か否かを問い合わせます。住宅ローン残高とリフォーム資金を合わせて住宅ローンの借換えができる場合もあるからです。
さらに、他の金融機関の住宅ローンも含め、住宅ローンの借換えを検討してみましょう。現状より有利な金利のローンに借り換えられれば、月々の返済負担をそれほど増やさずにリフォーム資金を借り入れられる場合もあるからです。
●借換えが難しい場合はリフォームローンを検討する
借換えが難しく、かつリフォーム工事費が少額の場合は無担保型のリフォームローンを検討しましょう。
借入れに際して抵当権が絡まないので、住宅ローン返済中でも比較的組みやすいローンと言えます。ただし、先に述べたように住宅ローンより金利が高めなので、たとえ少額の借入れでも安易に考えず、完済までのシミュレーションをきっちり行い、住宅ローンの返済と重なっても生活に支障がないかどうかをしっかりと見極めましょう。
住宅ローンの借換えをするか、無担保型リフォームローンを追加借入れするかの判断は、金利と月々の返済可能額、必要な手数料などをよく比較検討した上で行うのがポイントです。計算のうちに入れていなかった諸費用負担や金利変動で後悔しないためにも、それぞれの金融機関で綿密なシミュレーションをしてもらうのが上策と言えます。