「お宝中古物件」を見極めるコツ

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外見は古びてみすぼらしくても、住戸をリフォームすれば室内は新築同然になる中古マンションも珍しくありません。中古マンションは玉石混交です。その中から「お宝中古物件」を発掘するにはどうすればよいのでしょうか。
お宝中古物件の条件
「中古マンションは築年数を見て買え」
「中古マンション購入の目安は1981年以前か以降」
これは中古マンションの購入の鉄則といわれています。この言葉は、品質が玉石混交の中古マンションの物件価格が、築年数と耐震性を基準に決められることを示しています。
住宅の耐震設計基準は1981年に大幅改正されました。これにより、RC(鉄筋コンクリート)構造や鉄骨造りのマンションの物件価格は、建築申請年月日が1981年以前か以降かによって大きな開きが出ています。そのため、相場より安いからといって安易に飛びつくと、耐震性が脆弱な中古マンションを購入してしまう可能性があります。「お宝物件」どころか、とんだ物件をつかんでしまうことになります。
一方で、1981年以前の中古マンションの中にも高品質な優良物件が埋もれています。
中古マンションの場合、壁に運転免許証がスッと入るぐらいのヒビ割れがあるか、集合郵便受けの周りや自転車・ゴミ置き場などが整理整頓されているかをチェックするだけでも、優良物件か否かの判断ができます。
しかし、お宝中古物件を探し出すとなると、やはり一定レベル以上の目利きの知識が必要になります。そのためには数多くの中古物件を見て歩き、鑑定眼を養うことが大切です。そして最終的な判断はホームインスペクション(住宅診断)を受けてからにするのが最善でしょう。
中古マンションは、一般に価格の下落が緩やかになる築15~20年物に買い得感があるといわれていますが、これらはお宝中古物件の範疇外です。
最近では築35年以上の物件の取引件数が増加しており、さらには「第1次マンションブーム」といわれたマンション開発草創期当時の「1960年代前半物件」までも出始めているからです。したがって、お宝中古物件の条件は「1981年までに建築申請されたマンション」、すなわち「1981年以前物件」になります。
「お宝中古物件」のチェックポイント
1981年以前物件は「耐震性が低いので危険」と一般にいわれていますが、それは「あくまで傾向論。大手ゼネコンなどが当時の最新技術で建設したマンションは躯体が頑丈で、耐震性に不安のない物件も多い。中にはビンテージマンションになっているものもある」(不動産コンサルタント)といいます。そのため「適切な修繕が実施された1981年以前物件ならお宝中古物件の可能性が高い」(前出コンサルタント)ようです。
これまで「マンションの寿命は50年」といわれてきましたが、第1次マンションブームから50年以上経過した今、老朽化がそれほど目立たず、「もう後50年は大丈夫」という「高齢マンション」が少なくありません。近年は建物の耐震補強や劣化防止のためのさまざまな工法や素材の開発が進み、マンションも長寿化傾向を強めています。
では、どうすればお宝物件と巡り合えるのでしょうか。それには以下のような項目を実践 すれば、発掘できる可能性も高くなるといいます。
・お宝中古物件のイメージトレーニングをする
・古びてみすぼらしいなど外見だけで判断しない
・マンション関連の各種セミナーなどで目利きの技を勉強する
・周辺の中古マンションの価格相場を調べ、候補物件の客観的適正価格を把握する
・候補物件の管理状況や修繕履歴を確認する
・信頼できるリフォーム会社を選んで内覧に同行してもらい、劣化のレベルを調査する
・本命物件はホームインスペクションを受ける
・購入する場合はお宝か違うかを見極めるため、売却予測価格を把握する
こうしたポイントを押さえることで、お宝物件のマンションに出合える確率はぐんと高まるでしょう。