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東京都住宅政策審議会、良質なマンションストック形成促進を提言

公開日:2015-11-06 00:00:00.0

目次

東京都住宅政策審議会はこのほど、「東京におけるマンション施策の新たな展開について」と題する提言を発表しました。それによると、マンションストック戸数が全国一の東京都では築30年以上の高経年マンションのストック戸数も増加しており、「これらのマンションでは建物の老朽化と居住者の高齢化の『2つの老い』が進行している」と指摘。「マンションの適正な管理の促進」により「良質なマンションストック形成を目指すべき」と提言しています。
今後、「中古マンションの資産化」や「中古マンション市場の活性化」に向けた動きが大都市・東京で本格化するものとみられています。



東京都住宅政策審議会提言の概要


東京都住宅政策審議会は、提言の始めに「平成9年当時、約82万戸だった都内のマンションストックは、今日では約168万戸にまで増加し、マンションを取り巻く社会経済環境も大きく変化している。今後は少子高齢・人口減少社会へと進んでいく。都にはこうした状況の変化に的確に対応し、これからも先進的なマンション施策を推し進めていくことが期待されている。また、国においては昨年、マンション敷地売却制度の創設等を柱とする『マンションの建替え等の円滑化に関する法律』(マンション建替法)の改正が行われたほか、マンション標準管理規約の大幅な改正に向けた検討なども進められており、都としてもこうした動きに遅れることなく、有効な施策を打ち出していく必要がある」と述べ、良質なマンションストック形成促進の重要性を訴えています。
そして、都内のマンションストックの状況、マンション管理の状況、老朽マンションの建替え・耐震化の状況などを分析した後、「具体的な施策」として「マンションの適正な管理の促進」と「老朽マンション等の再生の促進」を提言しています。

まず「マンションの適正な管理の促進」においては「マンションの管理は、区分所有者等で構成される管理組合が自らの責任で行うことが基本であるが、法律、会計、技術などの専門的な知識やノウハウを必要とすることが多く、区分所有者等だけでは管理組合の適正な運営が難しい面がある」と述べ、「管理組合による自主的かつ適正な維持管理を促進するため、行政がマンション管理士等の専門家や管理業者等と連携し、管理の重要性や方法等について普及啓発を図るとともに管理組合の取組を支援する必要がある」と指摘し、以下のような施策推進を東京都に求めています。

●マンション管理ガイドラインの内容充実と普及促進
●マンション管理士等の専門家の活用促進
●マンション設計図書・修繕履歴等の保管の徹底
●マンションの基本情報の把握とマンションデータベースの再構築

また、「マンション管理の適正化に向けた市場の環境整備が重要」との見地から、以下のような施策推進も求めています。

●マンションデータベースの情報公開
●「優良マンション登録表示制度」の改善と普及促進
●マンション管理状況の価格査定への反映

「老朽マンション等の再生の促進」においては「老朽マンションの急増が見込まれる中、改修や建替えによるマンション再生の円滑化を図り、良質なマンションストックの維持形成を促進するためには、まず、施策の対象となる旧耐震基準のマンションや高経年マンション等の実態を的確に把握することが重要である。その上で再生を図る必要のあるマンションの管理組合に対し、重点的な普及啓発や支援を行うなど、効率的・効果的に老朽マンション等の再生を促進する必要がある」と述べています。

次に「マンションの改修や建替えについて、国や都においてはマニュアルやガイドブックを作成し、補助、融資、税制等の支援も実施している。しかし、区分所有者や管理組合だけでは技術、法律などの専門的な知識に乏しく、改修や建替えの計画を作成し、支援制度を効果的に活用してマンションの再生を進めることは困難であり、行政や専門家等による普及啓発や支援が不可欠である」と指摘し、以下の施策推進を求めています。

●老朽マンション等の実態把握
●マンション管理組合の取組を促すための普及啓発ツールの作成
●専門家・関係団体等と連携した普及啓発・相談支援体制の強化
●マンション再生の一層の円滑化に向けた国への働きかけ
●改修によるマンション再生支援
●マンションの耐震化支援
●マンション建替えの円滑化に資する都市計画・建築規制の緩和等



良質なマンションのストックには官民連携が不可欠


東京カンテイの「全マンションストックとマンション化率(全国都道府県別)2014年版」によると、マンションストック戸数が全国一の東京都のマンション化率(総世帯数に占める分譲マンション戸数の比率)は26.4%で全国平均(12.1%)の約2.2倍に達しています。世帯数で見ると3.8世帯に1世帯の割合でマンションに住んでいることになり、こちらも全国平均(8.3世帯に1世帯)の約2.2倍です。

この調査を見ても「マンションは東京の特徴的な居住形態となっている。マンションは都民にとって不可欠な生活基盤であると同時に、都市や地域社会を構成する重要な要素」(前出提言「Ⅰ『世界一の都市・東京』にふさわしい安全で良質なマンションストックの形成を目指して」)であることがうかがえます。こうした中で、良質なマンションストックを形成していくためには、東京都単独の努力では限界があるとみられています。やはり官民連携の努力が不可欠といえます。
そうした意味で東京都住宅政策審議会の提言は、マンション施策の新しい方向性を打ち出したものとして注目されます。マンション事業は新たな局面を迎えているようです。
 
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