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マンションの1階と高層階、住むならどっち?

公開日:2015-12-22 00:00:00.0

目次

新築分譲マンションの住戸選びで迷うことの1つが「1階」か「高層階」かの選択だといわれています。住戸は1階より高層階にいくほど価格が高くなるのに、高層階から順に売れていく傾向にあります。しかし1階には1階ならではのメリットもあるようです。1階と高層階、住みやすいのはどちらでしょうか。



マンションの売り出し価格が階数で変わる理由


分譲マンションの売り出し価格は、間取りが同一でも住戸の階数によって価格が異なり、一般には高層階になるほど価格が高くなるよう設定されています。この価格設定は、不動産開発業界の長年の経験から導き出された「価格設定の法則」に基づくものといわれています。

この法則を簡単に説明すると、まず土地購入費、建設費、販売コスト、利益などの積算で売り上げ目標額を算出し、これを住戸専有面積で割って「平均平米単価」を算出します。

次に各住戸の眺望、採光、日照時間、妻側住戸(角住戸)か中住戸かなどの住戸条件数十項目の評価の加点・減点により割り出した「住戸別効用指数」を設定します。この住戸別効用指数とは「その住戸の資産価値を表した指数」です。この指数を平均平米単価に掛けて各住戸の売り出し価格を設定します。

そして、実際の価格設定では、試算結果を見ながらモデルマンションとの性能比較などで各住戸の評価点の微調整を繰り返し、住戸個別の最適な売り出し価格を設定しているといわれています。

このように新築分譲マンションの売り出し価格の設定は結構複雑ですが、需要と供給の関係で決める中古マンションの価格設定よりも合理性があるようです。ところが「売り出し価格が高い=住戸の資産価値が高い」ことと「住みやすさ」とは必ずしも一致するとは限りません。ここに分譲マンションの住戸選びの奥深さがあります。



住みやすさから見る1階と高層階の違い


消費者が分譲マンションの住戸を選ぶ時のポイントとして「立地」や「価格」といった比較検討を経た後に、「眺望」、「騒音」、「省エネ効率」、「防犯性能」、「地震時の揺れ具合」の5つで絞り込むといわれています。このポイントを1階と高層階の住戸ごとにみていきましょう。


●眺望
いうまでもなく高層階が優れています。高層階ならではの「メリット」といってよいでしょう。都心に超高層のタワーマンションが多く、中古でも人気が高いのは「眺望ゆえ」といわれています。


●騒音
マンショントラブルの1位は「生活騒音」だといわれています。一般に生活騒音は高層階の方が低くなります。ただし、高層階では遠くの幹線道路などの車の騒音が大気を通じて伝わってくるので、1階に比べて高くなる場合もあります。強風の時は風音も高くなります。


●省エネ効率
こちらは冷暖房効率の観点から、1階や高層階より中間階が優れているようです。また、壁に窓があって眺望を楽しめる妻側住戸より、両側を住戸に挟まれた中住戸の方が優れているようです。1階の場合、夏はヒートアイランド現象、冬は地面の冷気などの影響で冷暖房効率が悪く、高層階の場合には、夏は屋上の日射熱照り返し、冬は寒風吹き付けなどの影響で冷暖房効率が悪いことがあるからです。
また妻側住戸の場合も、夏は外壁や窓から熱が室内に入り、逆に冬は熱が室内から逃げるので、やはり冷暖房効率が悪いといわれています。しかし、1階、高層階、妻側は住戸の省エネ効率が悪いといっても、最近はそれをカバーする性能を備えたマンションも多く開発されているようです。


●防犯性能
一般に泥棒は玄関や窓の開口部から侵入するといわれています。マンションの住戸のほとんどは妻側住戸を除き外廊下側とバルコニー側にのみ開口部があります。このため、泥棒はたいていが1、2階住戸のバルコニーから侵入することが多いといいます。では、高層階なら安心かというとそうでもなく、泥棒は屋上から綱を使ったり、雨どいを伝ったりしてバルコニーから侵入するケースもあります。しかし最近では、低層階や高層階の住戸に防犯性能の高い「防犯建物部品(CP製品)」を採用したマンションも増えています。


●地震時の揺れ具合
一般に中高層マンションや超高層マンションでは高層階ほど揺れが大きくなります。具体的には「中高層マンションは揺れ幅が狭いが激しく揺れ、超高層マンションは揺れ幅が大きいがゆっくり揺れる」ようです。ただし法律が改正された2009年以降、揺れを大幅に低減化する免震構造や制震構造のマンションが多く建設されており、これらのマンションでは高層階でも揺れは比較的小さいようです。購入を検討する際には、どんな免震・制震対策を施しているのかチェックすることを忘れないようにしましょう。

このほかにも、1階と高層階の住戸にはメリット面で一般には以下のような違いがあるといわれています。


●1階住戸のメリット
・エレベータを使う必要がないので住戸からエントランスまでの移動時間が短い
・災害時はバルコニーからもすぐ避難できる
・高層階より購入価格が安い


●高層階住戸のメリット
・眺望・通風が優れている
・生活騒音が少ない、最上階ならほとんど皆無といえる


こうしてみると、1階と高層階の住みやすさには一長一短があり、「1階だから得」や「高層階だから得」といった断定はできないようです。一般的には実利的な1階、眺望など快適さを求めるなら高層階といわれます。購入者のライフスタイルによっても大きく左右されるため、分譲マンションの住戸を選ぶ際は固定観念にとらわれず、上記の5つの観点から改めて自分たちの好みや家族構成を基準に考えるのが賢明といえるでしょう。

編集監修者情報
編集監修者
株式会社大京穴吹不動産
所在地
東京都渋谷区千駄ヶ谷4-19-18 オリックス千駄ヶ谷ビル
設立年月
1988年12月
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